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68-名前。

前回の話数がずれていました。

順序通り再投稿し直させていただきました。


忙しくあまり投稿が出来ておらず読んでくださっている方に申し訳ないです。ペースを戻せるように尽力します!


「おねぇちゃん早く食べなよ」

 そんなに急かさなくても。自分で作ったから感想が気になるのかな?それとも自分も早く食べたいのか。


「いただきまーす。うん、美味しいー!フルーツの量が凄いけど」


 口にクリームをつけながら満足そうに顔を蕩けさせている。

少ない方が良かったのかな。でも美味しいなら良かった。蘭ちゃんお手製の誕生日ケーキだからね。


「よかったね蘭ちゃん」


「ですね!」


「なんの話?」


「このケーキ蘭ちゃんが作ったんですよ?」


 恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべる蘭ちゃん。


「蘭もお菓子が作れるの……。良くこんなに凄いのできたね?でもなんか食べたことあるような?」


 未来からやってきたわけじゃないなら初めて食べると思うんだけど。ケーキって基本どれ食べても同じだしそういう意味かな?


「私は手伝っただけだけどね?ほとんど小鳥遊さんじゃないですかー」


「組み立てしかしてないよ」


「あー!!そうか後輩くんの味か……。どうりで食べたことあると思ったよー」


 だからなんで認識できんの?神の舌ですか。


「おねぇちゃん流石にその識別できるのは気持ち悪いよ」


 蘭ちゃんもそう思うよね?先輩といるとなんだかこっ

ちがいつもおかしいんじゃないかって思い始めてしまう。


「うるさいなー。誰でもわかるでしょ!じゃあこれも蘭が書いたの?」


 プレートをフォークでつつきながら蘭ちゃんを見る。


「私に筆記体なんて書けませんよー。普通に小鳥遊さんに書いて貰ったよ?おねぇちゃんは読めるでしょ」


 私は読めなかったけどねー。と笑ってケーキを食べる。

読めなくても人間生きてけるからね。


「へぇー後輩くんが。わたしの名前知ってたの」


「蘭ちゃんに聞きましたよ。汐音先輩?」


「苗字しか知らなかったもんねー。あと家と家族構成?」


 後半は別に交友するのに必要ないんだけど。


「別に知らなくても不都合無かったですからねー?」


「いつも先輩先輩だもんね。これを機に名前で呼んでもいいんだけど?」


 そう言ってフォークでこちらを指す。

行儀悪いなぁ。


「嫌ですよ。恥ずかしいし、めんどくさいし」


「えー。遠慮しないでいいのにー」


 遠慮じゃなくて拒否なんだけどね。だいたい先輩だって後輩くん。じゃん。平等に行こう?


「まぁ機会があれば是非」


「蘭は蘭なのに」


「両方とも音羽だとおねぇちゃんか私かわからないでしょ」


 そーだそーだ!蘭ちゃんの言う通りだー!


「両方名前なら関係ないんだけど……」


 ……さて、そろそろプレゼント渡す時間かな?


「蘭ちゃんそろそろあげる?」


「そーですねー」


「ねぇ!ちょっと何聞かなかったことにしてスルーしてるの?!」


 先輩はいつもどおりうるさいなぁー。


「私取ってきますねー」


「蘭まで……。わたしのパーティーの筈なのに今日のわたしに対しての扱いがおかしいよ……」


「そんな日もありますよね」


「別にこんな日求めてないんだけど!」


 される側に決定権はないですからね。

偶にはいいんじゃないですか?


「もーおねぇちゃん細かいなー」


 大きな紙袋を抱いて部屋から戻ってきた蘭ちゃんが先輩の文句に返す。


「蘭だってこうなると思うけど?」


 そういうキャラの人っているよね。

いじられキャラ的な。だから気にしたら負け負け。


「やられる側にならないから関係ないよ!そんな事の

より、はいおねぇちゃん誕プレ」


 紙袋を両手で抱えて先輩の前に行ってプレゼントを渡す。


「もーこんな大きいの何買ったの?ありがとう」


 袋を開けたら袋。さらに開けたら袋みたいな昔のドッキリだったら面白いんだけど。


「まぁ開けてみてよー。結構運ぶの大変だったんだよ?」


「なんだろ」


 紙袋をびりびりと破いて取り出していく。

もっと丁寧にはがそうよ……。女子力のカケラもないなぁ。


「おねぇちゃんの新しい友達だよ」




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