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58-決定。


「どうしてそれを学校で飲んでるのかはこの際見なかったことにしてやるからとりあえず堂々と飲むのをやめろよ」


 先生と移動して椅子に腰掛けて優雅に紙コップで紅茶を啜る先輩。

紙コップの時点で品もくそもないけどね。

ちなみに呼び出して役目が終わったから帰ろうとしたら先輩に阻止られました。


 先生がこちらを見る。

見られたって僕にはどうしようもないんですが。苦笑いで誤魔化して話を進める。


「先輩。先輩のわがままに付き合ってるんですから早く話進めくださいよ、帰りたいんで……」


「はいー。先生自主研修ってサボったら怒られますかー?」


「話が読めんが、当たり前だろ」

「そこをなんとかー!」


「なんでだ?てきとうに行きたいところ回ってまとめるなのにサボるってなんだ?ホテルにずっといるとか?」


「いやケーキを食べに」


「じゃあ食べ歩いたのをまとめればいいんじゃないのか」


「歩きまわるのは面倒くさいので後輩くんのところ食べに行けばって思ったんですよ。そしたら先生がずっといるっていうからバレるじゃないですか。だからいっそのこと買収しようかなって」


 買収って……先輩は何考えてるかさっぱりわからない。

先生買収できたらニュースものじゃないか?職権濫用的な。先輩は犯罪者になってしまうのか。

あ、でもこの場合捕まるのは先生だけか。ならいいんじゃない?


「馬鹿か。別にケーキ屋さん固まってるところに行ってくればいいだろう?別に小鳥遊のところじゃなくてもさ」


「何言ってるんですか!!後輩くんのケーキですよ?!それに後輩くんレベルの他のケーキもたくさんなんて逃すわけにはいかないじゃないですか!!」


 いつもの素の先輩に戻ってるよ?

先生めっちゃ驚いてるけど、先輩の本当の姿を知らなかったのか。


「お、おう……。そんなに小鳥遊が好きなのか。それなら音羽お前が店員やれよ。それならいいぞ?」


うわーまじかー。先輩に接客っていうか売り子できるのか?喋らないで黙って立ってれば可愛いから絶対ぴったりだが?実際は残念だからなぁ。


「よしきた!!後輩くん、わたしの誘導尋問の勝ちだよ」


「はぁ、最悪ですね。これは負けですか」


「ちょっと酷くない?!わたしやればできる子だからね?」


 普段の先輩にそのかけらも感じられないんだけどそこについて詳しく聞きたい。


「わからんぞ?音羽は他はともかく見た目はいいんだし?売れるかもよ」


 その発言セクハラになるんじゃないですかね。まぁそこについては同意見だけどね。


「みんなしてわたしをなんだと思って………言っておくけどわたしって料理以外は何でも出来ますからね」


 はいはいー。そういうのは間に合ってますよー。


「ほら小鳥遊本人は完璧らしいからむしろお前のケーキの方が問題になんじゃないのかー?」


 笑い事じゃないんですよねー、割とそれ……。まぁとりあえず次の手は考えてるんだ。


「余計なお世話です。もう終わったなら帰りますよ」


「お疲れ小鳥遊、また明日なー。音羽は残れよ?色々決めることがあるから」


 えーめんどいー。と文句を言ってる先輩に一声かけて玄関へ向かう。


「めんどいならやめてもいいですよ?お疲れ様ですー」


 さあ、とっとと帰ってやることやっちゃおうか。




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