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50-おもり。


 先輩は直ぐに捕まりこってり蘭ちゃんに絞られてました。

だから言ったのに。


「先輩バカですね」


「なんでわたしだけ……」


「おねぇちゃんのせいでしょ?」


「妥当ですね」


「そうだけど後輩くんも同罪でしょ!!」


「先輩なんかと一緒にしないでくださいよ」


「わたしの味方はいないの……?」


 先輩が悪いですからいないでしょうね。


「小鳥遊さんとおねぇちゃんは何してたんですか?デートとか?」


「で、デート?!なんでそうなるのさ」


「男女が2人で出掛けるのを一般的にはデートとも言いますけどね。でも残念ながらまた拉致だよ」


「おねぇちゃん……。わたしに断られたからって小鳥遊さんを巻き込むなんて可哀想じゃん」


「拉致扱いならまだデートのがいい……」


「いきなり家に押しかけて作業してるところを連れ出しついでに家の中を徘徊するのをデートと言うんですね?知りませんでしたよ」


 徘徊はあんまり関係ないけど。


「……もうわたしが全部悪いですよーだ!!ごめんなさいね!!」


 先輩はとうとう開き直った。


「まったく……。もう変なことはやめてよねおねぇちゃん。それじゃ邪魔しちゃ悪いんで私はここで失礼しますね」


「邪魔も何ももう帰るだけだけどね。先輩もやる事ないみたいだし」


 気を使ってくれる蘭ちゃんは先輩とは大違いだ。

だけどその心配は無用だよ。


「そーなんですか?なら私も帰ろうかなぁ」


「用事はいいの?」


 先輩を断ってまでの用事があったんじゃないのかな?

そーいえば明日も先輩に秘密でって言ってたし何か企んでるのかな?

それともただの姉離れとか?

考えても結局わからないから明日にでも改めて聞いてみよう。


「もうだいたい終わりましたよ。それに今日じゃなくてもいいですしね!」


 笑顔でこちらの向きウインクをする蘭ちゃん。

明日のことを言ってるんだろうか。

明日は明日で大変そうだ。


「なら先輩のお守り(おもり)を任せたよ」


「え?ちょっとそれは嫌ですよ?」


すると今まで黙っていた先輩がぽつりと呟いた。


「そんなに言うならいいよ……。わたし1人でもいいからさ」


 目を少し潤ませてとぼとぼと歩き出す。

流石にやりすぎたかな?

蘭ちゃんの方を見るとあちらもこっちを見ており目が合う。

蘭ちゃんは苦笑いをして仕方ないですね。と首を振り先輩の方へ走る。


「ちょっとおねぇちゃん!もー拗ねないでよ」


 話しかける蘭ちゃんは口に笑みを浮かべてどこか嬉しそうに見えた。

姉離れではなさそうだ。

そんな微笑ましい2人を後をゆっくりとおいかけた。




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