48-お買い物。
「着きましたよ」
「へぇー。凄いねここ。お菓子の材料ばっかり」
「製菓の専門店ですから」
「ほらみてみて白い粉がこんなにたくさん」
白い粉って……。
ただの小麦粉なのに。
「こんなに種類あるんだ。なにが違うんだろう」
「粗さとか色々じゃないですか?僕と使わないんでよくわからないんですけど」
「ならなにに使うのこれ」
「製パンに使うんですよ」
「パン屋さんって頭良さそうだね……」
カタカナの名前がついた沢山の小麦粉をみて悟ったようにそんなことを言う。
「どんな理屈ですか。買い物してくるんでてきとうに見て回っててくださいね」
「はーい」
さてとりあえずリキュールをみよう。
「なんか珍しいの入ってないかなー」
お、ウォーターメロンのリキュールがある。
使い道が浮かばない……。
けどおもしろそうだから1つ買っておこう。
後はアーモンドスライスも買っとこう。
棚に行くと先輩がマカダミアナッツを大人買いしてた。
それ業務用……。まさか食べるのか?
先輩は次の獲物を求めて別の棚に消えていった。
「あれ塩味もなんもついてないのわかってるのかな?」
まあ、先輩のことだ板チョコと一緒に食べたりするんだろう。
他にも色々と見て回りレジでお会計を済ませて先輩を探す。
どうせ食べ物のとこだろうな。
ほらやっぱり試食食べてた。
「先輩終わりましたよ」
「あ、後輩くん早かったね」
「先輩はなにかったんです?」
「お菓子ー」
食用目的で買いに来る人なかなかいないよ?
「先輩らしいですね」
「褒めても何も出ないよ」
別に褒めてない。
「それでこの後どうするんですか?」
「特にない」
「なら帰りますか」
「んー勿体無い気がするけどやることもないし帰ろっか」
むしろ帰ってからやることがあるんだけど。
「帰ってバイオリンの練習したらどうですか?大会近いんでしょう?」
「現実を見せないで……」
「向き合いましょうか」
「あの曲作った奴は髪の毛くるくるになればいいんだ」
多分既にくるくるだと思うよ昔の人だろうし。
「わけわからないこと言ってないで帰りましょ……?」
先輩を説得していると視界に見たことのある人が映る。
「わかったって!もう……。あれ?後輩くんどうしたの?」
「いやあそこにいるのって」
「あそこってどこ?」
「いやほらあそこの店の前に」
「お店の前ー?んー。あ、蘭じゃん」
やっぱり蘭ちゃんか。
「そういえば出かける用事あるって言ってましたもんね」
「わたしを捨ててまでの用事ってなんだろう」
捨ててまでって……。
「彼氏とデートとかじゃないですか?年頃の女の子ですし」
「彼氏?!それは聞き捨てならない!わたしだって出来たことないのに」
やっぱりいないんだ。
音楽が恋人で正解だったね。
「これは相手をおねぇちゃんが見定めてあげなければ!」
デートと決まったわけじゃないけど。
「蘭ちゃんのプライバシーとか尊重してあげないんですか……」
「妹の人生がかかってるんだよ!そんなことよりも大事なことがある。後普通に羨ましいし」
妹の人権をそんなことを呼ばわりしちゃったよ。




