37-疑惑。
「はぁ……。まぁいいですよ。先輩に何言っても無駄ですからねー」
「ちょっとそれどういう意味!?」
「どういう意味でしょうかねー蘭ちゃんにでも聞いてみたらどうです?」
絶対納得してくれそう。
「むぅわたしの知らないところで蘭と盛り上がってるなぁーしかもわたしのことで」
別に盛り上がっては無いけど……。
「ただの共通認識ですよ」
「ならわたしも蘭と共有しとこ」
「なにをですか?」
「後輩くんが太腿狂ってこと」
そんな目で見られても。
「なんでそうなるんです……」
「そんなこといって前も見てたじゃん!やっぱり……?」
「いやいや先輩の太腿になんて興味ないですよ。安心してください」
「あんなに見たし挟まれたのに」
「冤罪です!!」
だいたい挟んだのは先輩だから。
こちら被害者。
「大丈夫。たとえ後輩くんが変態でもわたしは受け入れるよ……」
「なんの話ですか……。とりあえず違いますからね」
「はいはいーそういう事にしておいてあげるよ」
絶対わかってないな。
まぁいいか。今度なんか仕返ししてやろう。
「んで、なにしてたんですか?」
「後輩くん対策にベル付けようかと思って」
「そんなくだらない理由だったんですか……」
「くだらないとは失礼な!こっちとしては深刻だよ!心臓に悪いんだからね!」
「つけるタイミングとか考えられないんですかー?まったく」
「そ、それは……。途中で思い出して来る前に急いでやっちゃおうと」
「人が入ってきたときのこと考えてくださいよ。危ないじゃないですか」
「お説教は聞き飽きたぁ〜」
耳を塞いで机に突っ伏す。
「だれのせいですかね?」
「きこえないー」
「はぁ……。まぁいいですよ。お菓子食べましょうか」
そう言って先輩の頭の上に手を翳す。
「お菓子!?食べうっ……」
思いっきり頭をあげる先輩。
聞こえてるじゃないですか。
もちろん翳した手に激突して頭を押さえる先輩。
「痛ったいぃ〜。もうなにするの後輩くん……。いつもいつも!」
「聞こえないふりするからじゃないです」
「いいからお菓子!食べるよ!」
「はいはい。食べましょうか」
「今日はなに?」
「スイートポテトです」
「やった。スイーツポテトすきなんだよねぇ甘くてねっとりしてて」
ねっとりしてって感想としてどうなんだ……。
しっとりしてるとかでいいと思うけど。
「良かったです。たくさんあるんで好きなだけ食べていいですよ」
安売りしてたサツマイモを大量に使って作りました。
8本分くらい。
先輩は箱の中身を確認して呆れたように呟く。
「これどんだけあるのさ……」
「んーだいたい3kgくらいですかね?」
先輩なら普通に食べてると思うよ?
「後輩くんって馬鹿なんじゃないの??」
「って言いながらどうせ食べちゃうんですよ先輩は」
「流石にわたしでも食べられないよー」
「そしたら持って帰りますよ。なので食べれるだけ食べてくださいね」
「はーい。あ、後輩くん紅茶のおかわりください」
両手にスイートポテトを持って美味しそうに食べる先輩。
やっぱりいくら食べても太らないのかな?
紅茶を淹れながらそんな失礼なことを考えた。
ちなみに全部食べきりました。




