25-葡萄。
夜、蘭ちゃんからメールがきた。
『小鳥遊さん明日って暇ですかー?』
『特にやることはないよ』
『よかった!なら明日うちでお昼ご飯一緒にどうですか?』
『突然すぎない?』
『まぁまぁ!おねぇちゃんもいますし!』
もしかして先輩の料理の毒味じゃ……?
『いやな予感するんだけど……』
『大丈夫ですよ?明日はおねぇちゃんの料理食べるわけじゃないんで!』
明日は?いつか呼ぶ気満々じゃん!!
それだけは御免願いたい。
『先輩の料理の毒味に誘わないって約束なら行こうかな』
『わかりました!!安心してくださいよ本当に違いますから。明日11時にうちに来てくださいねー待ってます!』
ドタキャンダメかな?
てか休日なんだから親御さんいるでしょ。
なんで呼ばれたんだろう……。
まさか本当に先輩の毒味?
「まぁ、手土産のスイーツ作って行こう」
そう考えて思いつく。
「これが目当てなのかな」
そう思うとなんだかおかしくなってつい笑ってしまった。
それなら張り切って美味しいもの作らないとね。
「何作ろうかな」
冷蔵庫を見ると割となんでも作れそうだけど。
明日作ろうと思ってたプリンでも作ろう。
シンプルなプリンですよ。
いつもなんだかんだでアレンジして果物とか入れてるから珍しくベーシックなお菓子にしようかなって。
瓶を熱湯消毒して乾かして蒸し用にお湯を沸かす。
キャラメルソースを作って瓶に注いで作った卵液を流し込んでアルミホイルで蓋をして
天板に並べてさっきのお湯を注いでオーブンにかける。
「プリンって作業少ないんだよなぁ」
もう一品くらい作ろうかな。
大人がいるならせっかくだから前に買ったチーズ使ってケーキにしよう。
「蘭ちゃんとかブルーチーズたべれなかったら困るしホワイトの方と2種類にしてあげよう」
え?先輩はって?あの人はなんでも食べるし心配してません。
プリンが焼ける頃に生地を完成させたい。
パウンドケーキでいいか。
バターを混ぜて砂糖入れて卵入れて混ぜて薄力粉入れて混ぜる。
混ぜるだけだから先輩以外なら誰でも作れるお手頃ケーキです。
蘭ちゃんとか作れそうだけどね。
半分に分けて胡桃とレーズンと小さくした2種類のチーズをそれぞれに加えて混ぜて型に流す。
プリンを取り出してパウンドケーキ入れる。
その間にシロップを作る。
焼きあがったらシロップをたっぷりとかけて染み込ませる。
たべやすい大きさにカットして端の方を味見する。
「結構独特な味するな……」
ブルーチーズの方が好きかもしれない。
結構ブルーチーズって感じするけど大人好きそうな味だ。
プリンとパウンドケーキを容器に入れて冷蔵庫にしまっておく。
「一緒にブドウジュースも持ってこうかな?」
フランス産の果汁100%のおいしそうなワインの代わりに買っといたちょっとお高いやつ。
あとブルーチーズの方かなり余ったから勿体無いから持って行こう。




