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23-自炊。


「あれ?小鳥遊さん?」


 後ろから声をかけられ振り返ると。


「蘭ちゃん。久しぶり」


「お久しぶりですね〜。コンテスト優勝って聞きましたよ。おめでとうございますっ!」


 相変わらず元気な子だ。



「ありがとう。その節はおせわになりました」


 試作の山を消費してもらった恩人です。


「こちらこそ美味しいケーキありがとうございます」


「本当に助かったよ。もうあれは食べたくないね」


「美味しかったじゃないですかー」


「毎日何個も食べると流石に嫌になるよ」


 実際あんなこと続けてたら体壊しそうだ。


「そーですか?甘い物ならいくらでも食べられますけどねー。おねぇちゃんよく小鳥遊さんから貰ったって自慢してしてくるんですよー」


「最近はご無沙汰だったけどね」


「おねぇちゃんばっかりずるいですよー。たまには私にも分けてくださいね!」


「今度先輩に持たせるよ。蘭ちゃんに渡るまでに食べられてなきゃ。だけど」


「おねぇちゃんならやりかねない……」


 てゆうか絶対に食べそうだ。


「そーいえばおねぇちゃん何故か突然料理始めたんですよねー。本買ってたんですけど本に入る以前に目玉焼き焦がしてましたよ……」


 どうしたら焦がせるんだ?


「先は長そうだね」


「いつか毒味させられるのが怖いですよ。小鳥遊さんは自炊とかされないんですか?」


 カゴに入れた弁当を見て聞いてくる。


「面倒臭いしそんなに上手くないからね。基本毎日弁当とか惣菜だよ」


「体壊しますよ?そうだ小鳥遊さんがおねぇちゃんの毒味してあげたらどうですかー?」


「本気で遠慮したい」


 焦げを食べる趣味はない。


「ですよねー。それじゃあ早く買って帰らないと怒られちゃうんで失礼しますね!」

笑いながらレジへ去っていく。


 そんな蘭ちゃんを見送ってカゴの中身を見つめ、そっと弁当を戻して食材を探しに行く。


「本も買っちゃったしね」


 決して蘭ちゃんに言われたからではない。



 ……焦げは食べたくないからね?




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