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22-オペラ。


「しょうがないですね」


 紙皿にケーキを乗せて机に並べる。


「あれ?これってあのチョコのケーキじゃない?」


「そーですよレシピもらったんで作ってみました」


 結構難しかった。自分が作ったやつより手間かかってたし。

こっちのが凄いのになぁ。


「それで、はい作りました。って作れるのがおかしいと思うんだけど……?」


「レシピあれば誰でもできますよ」


「わたしには無理だけど……」


 先輩はなんも無理でしょ。


「まぁ、食べましょうよ」


「もう……。いただきます」


 一切れ口に運ぶ。


「なにこれ美味しい!オレンジ入ってるんだ」


「薄くスライスしたオレンジを挟んでます」


 1mm以下とか本当にやめて欲しい。

カットするの大変だった。


 薄く切らないと皮が口に残るから厚くするわけにもいかないし。

ちなみにスライスした後にも薄く切れ目を入れて切れやすくしてる。


「しかもチョコかと思ったら珈琲の味だし」


「チョコレートケーキだと思ったらオペラでしたね」


 珈琲苦手だからチョコにしようかと思ったけど美味しくなくなったら

あれだし、何より人のレシピだからなんか罪悪感がね?


 作るだけ作って味分かったら先輩が処理してくれると思ってた。

先輩は便利だ。


「オペラ?音楽関係あるの?」


「さぁ?このケーキの名前がオペラなんですよ。そっちの地方で作られてたんじゃないですかね」


「へぇーよくわかんないや。美味しければいっか!」


「だと思いました」


 なら聞くなって思うけど。


「さすがー。わたしのことよく分かってるー」


 誰にでも分かりそうですけどね。


「ところで先輩珍しく今日演奏してましたね。弾くの金曜日だけかと思ってました」


「コンクールの曲弾いてみてただけだよ」


「コンクール近いんですか?」


「来月ね。でも課題曲が難しすぎてさー」


 2つ目のケーキを頬張りながら答える。

先輩でも苦手とかあるんだなぁ。


「コンクールって一般も聴きに行けるんですか?」


「ん?いけると思うけどチケット買わないといけないんじゃないかなたぶん。わたし行ったことないし」


 そりゃ演奏する側ですもんね。


「なら聞きに行こうかな」


 先輩の演奏ちゃんと聞いたことないからいい機会だ。


「え?いやいいよ……。恥ずかしいから来ないでよ」


 本気で拒否してくる。

それを無視して紅茶を啜る。


 何もキコエナイ。


「まぁ、頑張ってください。楽しみにしてますから」


 ケーキたべたしお暇するとしよう。


「それじゃ今日は帰りますね。買い物しないといけないんで。紅茶ご馳走さまでした」


「え、ちょっと後輩くん!」


 後ろで先輩がなんか言ってるけど僕には聞こえない。

さて、スーパー寄って帰ろう。




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