19-メール。
大会当日は大きなホテルで行われた。
「結構人いるなぁ……」
専門学校の人達ばかりだ。学生向けのだし当然っちゃ当然なのか。
普通専門学校とかの人しか受けないよな。
説明を受けて調理場まで移動する。
みんな白衣を着てエプロンをしてコック帽被ってるし。
凄い目立つ。普通にエプロンと三角巾なんだけど……。
結構周りから見られるし落ち着かない。
それでも調理が始まるとみんな必死に手を動かしだす。
「やっと落ち着ける。さて、やるか」
今までやってた事をやるだけだから特に緊張とかしないな。
生地から焼き始めますか。
みんな制限時間をかなり残して完成して次々と戻って行ってた。
作り終わった時はもう数人しかいなかった。
「みんな手際がいいのかなぁ〜」
やっぱり学校通ってるだけはあるのかな?
結果はこの後休憩を挟んでから出る。
ホテルのホールに集合すればいいらしく、時間まで自由だ。
作ったものはホールで展示されるらしく見ることも可能だけどさっき覗いたらみんな学校ごとにまとまって動いていて行きづらかった。
「みんな落ち着くまで待つか……」
それまで何しようか。
そーいえば先輩から連絡先貰ったけどまだ送ってないや。
送らないと怒られそうだなぁ。
『小鳥遊です。先輩元気ですかー?』
暇だし送ってみた。
するとすぐに返信がくる。やっぱり暇人だ。
『やっと送ってきた〜。絶対忘れてたでしょ』
バレてる。
『色々と忙しかったんですよ』
まぁ嘘ではないよね。
『コンテストだっけ?いつなの?』
『今終わったところですよ』
『え?!今日だったの?』
言ってなかったっけ。
するとホールから皆が出てきたので作品を見に行く。
みんな凄い美味しそうなの作ってる。
ただショートケーキみたいなのが多い。
お題がスポンジケーキだからだろうけどもしかしてこういうのじゃないといけなかったのかな?
他にも違う形の人は数人いるけど。
全部を写真に撮り先輩に送る。
『そうですよ。ほら』
『うわー凄い美味しそうだね。このチョコのとか絶対美味しいよ』
これか。確かに美味しそうだ。綺麗に四角に作られて中が何層にもなっている。
『美味しそうですねこれ。レシピ貰えるみたいなんで作れそうなら今度作ってみますね』
作品の前にはレシピが置いてあり自由に持ってっていいみたいだ。
一応全部貰っておこうかな?
自分の奴だけもう既にレシピがなかった。
何故だろう?
『やったー!結果発表はいつなの?』
あげるとは言ってないのに。
『もうすぐですよ』
『わかったら教えてね〜!』
ダメだと思うけど……。
まぁ一応お世話になったしそれくらいは教えますよ。




