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13-間接キス。

チョコの飾りつけの描写良いたとえがあれば一言くださると嬉しいです。


「後輩くんはなにしてるの?」


 そう言ってこちらを覗き込んでくる先輩。


「試作ですよ。こっちも出来たら食べてもらうんでお願いしますね」


「へー。どんなの作ってるの?」


「出来てからのお楽しみですよ」


 シートに抹茶を刷毛で広げて作った型を乗せ、ホワイトチョコを垂らしてひっくり返して余分なチョコを落とす。

シートの両端を持って金魚鉢の底みたいな輪っか?にしてホチキスで留める。

出来上がったらカチューシャと三日月の間みたいな形になる。はず……。


「何してるか全く分からなかった……」


 ケーキを手にこちらを眺めていた先輩頭にはてなをたくさん浮かべている。


「やっててもわけわからなくなるんでそれが普通ですよ」


 テーブルを見るともうケーキがなくなっている。早すぎない?


「タルトもありますけど食べますか?」


「タルトもいいの?やった!」


 よくもまぁそんなに食べられる……。流石に胸焼けしそうだ。


「それはいつ完成するの?」


 もう次の獲物を狙ってるらしい。


「もうそろそろできますよ。これから仕上げしてひやすだけです」


 先ほど作った紅茶にゼラチンを溶かしてとろみが出てくるまで冷やす。

冷蔵庫からムースを取り出して型から外しシートを剥がしてそれを網の上に乗せ紅茶を中心から円を描くように垂らす。


 よくあるおしゃれなツルツルにコーティングされてるケーキだ。


 全体に満遍なくかかったら昨日作っておいたガトーショコラを乗せて、さっきのホワイトチョコの飾りを乗せる。その中に粉糖をかけたラズベリーとカットしたイチゴを乗せてチャービルを添える。


「あとは冷やして完成ですね」


「後輩くんって本当に高校生?」


「ちゃんと先輩の後輩ですよ」


「何をどうしたらこんなのが作れるの……」


「上手くいってるかは食べてみないとわからないですよ?」


「早く食べたいな」


「その前にその食べかけのタルト食べちゃってくださいよ?」


 手元のタルトと僕を交互に見て、思いついたかのようにフォークにタルトを刺しこちらに向ける。


「はい後輩くん。あーん」


「え?」


「あーん?」


「いやちょっと流石に恥ずかしいんですけど……」


「はやくー!ほら、あーん!」


「……。」


 しょうがない。完全にからかって遊んでるな。はやく終わらせた方が身のためだ。

口を開けてフォークに近づく。すると直前でフォークは先輩の口に運ばれ吸い込まれた。

呆然としていると。


「あはははっ。どうしたの?固まっちゃってそんなにわたしと間接キスしたかった?」


 と、得意顔。

自分からやらせておいてこれは酷い。やられたらやり返さねば。


「蘭ちゃん」


「はいー?」


「先輩今作ってるケーキ要らないらしいから2つ食べていいよ」


「え?!本当ですか?やったぁ」


「ちょっと待って!そんなこと言ってないよ?!」


 自業自得ですよ。



 そーいえば中谷が空気だけど、どこ行ったんだろう?

奥のソファーで寝てやがった。




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