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97-いじめ。

仕切り方を変更してみました。

どちらが見やすいか教えてくださると助かります。


「後輩くん」

「手伝いませんよ」

「違うよ!こんな感じって見せようとしただけだよ」


 包装されたシフォンケーキを持ってこちらにやってくる先輩。

透明なシートでピチッと包み、後ろでバイオリン柄のマスキングテープで可愛く止められている。正面にはリボン付きのシールが貼ってあった。


「凄いおしゃれな感じですね」

「どう?わたしのセンス!」

「流石ですね」

「普通に褒められるとなんかしっくりこない……。皮肉や軽口はどこにいった!」

「純粋に褒めたのにドMですか」

「いやそういうわけじゃないんだけど……?なんかなぁ?嬉しいはずなんだけど」

「面倒くさい人ですね」

「それと一緒にいる後輩くんもなかなか世話焼きさんだね?」

「しかたなくです。しかたなく」

「そんなこと言うなら無理にしなくてもいいよ?」

「あ、わかりました。後はやっといてくださいね」

「ちょっと!そこは先輩の為に……!とか言おうよ?!」

「先輩は自分にはそんな価値があると思ってるんですか?」

「傷つくよ?!流石にそれは刺さるから!!」

「ドMだからいいじゃないですか。ご褒美って奴ですか?」

「だ!か!ら!違うよ!!なんも嬉しくないからねっ!」

「その割りには楽しそうですけどね」

「そ、そんなことはないよ……?あ、いや後輩くんと話すのは楽しいけど」

「次はツンデレですか今日はたくさん属性ありますね」

「属性って……。もう叫ぶのも疲れてきた」

「1人で勝手に騒いでただけじゃないですか」

「うぅ後輩くんがいじめる……」


 いじめじゃないですよ。スキンシップです。

こういう先輩もやっぱ可愛くていいね。

ハードワークの対価として少しくらいは許して欲しい。

シャインマスカットをひたすら半分にする作業。


「先輩終わりそうですかー?」

「プレーンが終わるよー」


 あれ意外と早い。


「早いですね」

「単純作業だからねー」

「クラスの方はいいんですか?」

「わたしの担当は終わりだよーあとはクラスの子達がやってくれるよ」

「先輩のクラスは何やるんですか?」

「カフェだよ」

「普遍的ですね」

「そういう後輩くんのところは何やるのさ?」

「知らないですよ」

「え」

「わからないです」

「後輩くんってもしかしていじめられてたりする……?」


 いじめ……なんでそうなった?

たしかに先輩にはいじめられてるといっても間違いじゃないけど。


「クラスでいじめなんてありませんよ?」

「よかったぁ。ならなんでしらないの?」

「話聞き流してて準備期間は先輩のわがままに付き合ってずっとここにいますからね」

「年に一度の学生の思い出の文化祭だよ……?」

「先輩にだけは言われたくないんですけど」


 ぼっちで過ごしてしかも仕事を押し付けてる先輩にはね。

それでやっちゃうほうもほうだけど。


「去年のことはもう忘れたの!!今年は後輩くんとの思い出を作るんだよっ!」


 先輩との思い出なんかよりハードワークの思い出が残りそうだ。


「ほとんど僕が作った物を売るだけで出店やって思い出になるんですかね?」

「うっ……。一緒に売るから!!それでオッケーなの!!」


 狼狽えながら必死に言いわ……抵抗する先輩。


「都合のいい解釈ですね」

「一緒に文化祭過ごすだけでも貴重な時間だよ?」

「僕には青春とか分からないです」

「私もよくわからないけどね〜恋人とか友達とかと、わいわい!いちゃいちゃしてればそれっぽいよ」

「先輩の失われた青春を手にするために手伝ってあげますか」

「何その上から目線〜!」

「ありがたく思ってくださいねー」

「はいはい!ありがとね!終わったらご褒美あげよう」

「ろくなことじゃなさそうですね」

「聞きもしないでそれは酷い」

「テーマパーク連れてってくれるんですっけ?」

「それは別だよっ?」

「じゃあなんですか」

「ん〜……。ふともも触る?」

「別にふともも好きじゃないですからね……」

「ならどこフェチなの」

「言わないですよ」


 なんでそんなこと教えないといけないんだろうか。


「やっぱ胸?男の子はおっぱいがいいって言うからねぇ」

「偏見です」

「そう?よく見られるけどなぁ」


 胸を見て手を当てる先輩。

酷い誤解だ、よくなんて見ない。

……たまにしか。


「先輩はスタイルもいいですからね。みんな目がいくんじゃないですか」

「みんな変態だねー」

「先輩もなかなかですけどね」

「どこがさー?」

「普通の女の子はふともも触らせようとしないです」

「ネタだから!本当に触らせると思ってんの?!」

「本気でもネタで触りませんよ?」

「触らせませんよーだ!」

「じゃあなんで言ったんですか……」

「なんか毎回あしらわれてるのむかつく」

「そう言う目で見て欲しいんですか。変態さん」

「いやそうじゃないけど!」

「ならいいじゃないですか。まぁ先輩さんか変態さんの違いですけど」

「わたし一応淑女で通ってるんだけどなぁ」

「バレたら大変ですね」

「後輩くん以外は割と思い通りになる人生送ってるほうだよ?」

「人を騙して生きているんですね」

「人聞きの悪いな!!さて……と!最後の終わり!」

「早いですねぇ。お疲れ様です」

「後輩くんは?」

「もう終わりますよ」


 やっと長い作業が終わる。


「それじゃ一緒に帰ろっか!」

「クラスの方手伝わなきゃいけないんですけど」

「あーそっかぁ。残念だね。それじゃまた明日ね!頑張ろっ!」

「はい。お疲れ様です。ゆっくり休んでください」

「うん!後輩くんこそ寝坊しないでね?」

「大丈夫ですよ。さよなら」

「ばいばい〜!」


 帰る先輩を見送って教室に向かう。

クラスの方も早く終わらせて帰りたい。結構疲れた。




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