幕間 次なる舞台へ
◆リンドバーク帝国領域
翌日、ユジンたちと別れた一斗たちは部隊と合流し、船に乗ってリンドバーク帝国に向かっている。
当然船は以前とは異なり、リンドバーク帝国のものと同様の頑丈な船である。
リンドバーグ帝国から技術提供のために訪れていたものたちは、頻りに驚いている。
「なんでこんな短時間で、これだけの規模の船が用意できたのかわからない」
と。
1年程度で10隻の船を造り上げた。
帝国からすると別に不可能ではない数字ではあるが、実際に王国にはそのまま活用できる資源はなく、資源収集からスタートしていた。
しかも、船大工はほとんどおらず、初心者ばかりであった――が、生き甲斐を見つけた者たちの知識吸収力と行動力は半端なかった。
使えるものは何でも資源に変え、不足している知識は帝国側の船大工から思う存分吸収し、それらをすぐに現場で活かす。
そうやって飢えていた分を躍進力に変えることにより、不可能を可能にした。
順調に航海を終えた王国軍は、リンドバーク 帝国の港町にたどり着く。
舞台は、今も領地間での争いの絶えないリンドバーク帝国 。
人と鬼との因縁の対決に決着をつけるときがやってきたのであった。
第五章 輪廻のまち編 了
next contine 『第六章 転生のまち編』




