第1章 7話
-山田・クリス・恵子の場合-
ここが噂の秋葉原。
久しぶりの長期連休に私が選んだ場所はここだった。
いつか来てみたいと思っていた場所。
これまで、東京の街には何度も来た事はあるけれど。
ここはまた違った雰囲気を出す街ね。
研究員の間でも噂になっていて気になっていたけど。
なんだか、始めて来たはずなのに懐かしいとさえ思ってしまう。
「あれ?ここは?」
あら?
何やら困惑している人がいるみたい。
何かしら?
「え?秋葉原!?」
え?
変な事を言ってる。。
「質問いいですか?秋葉原ダイビルって知ってます?」
「いいえ。私は地元の人間じゃないわ」
私は適当に探索する為に来ただけ。
何か目的があった訳でもない。
だから、この街の知識はそれほど無い。
ただ、電気街とオタクとビジネスビルが混在する街だと聞いただけ。
秋葉原ダイビルなんて初めて聞いたわ。
その子は手に持っているスマホの時計を見る。
「え!?16時?」
何か驚く事でもあったのかしら。
変な子。
この街がああいう子を生み出すのかしら。
「とにかく急がなきゃ!」
ちょっと興味があるけど。
今は優先度は低いわね。
あら?
何やら大通りで騒がしくなっている。
事件かしら?
ちょっと覗いてみる。
そこには通行止めの文字が。
何やら交通事故が起きたらしく、歩行者も通れない状態になっている。
ここから北の方向には行けないわね。
着いた早々運が無いわ。
仕方ない。
迂回して行くしか方法が無いわ。
北の方向に色々店があるのは、ざっと調べた範囲で知っている。
どうせ時間もあるし、のんびり行きましょう。
「どうしてこんな事になってるの!?」
先ほどの少女?
かなり困っている様子。
とはいえ、私は彼女の目的の場所を知らない。
待って。
今はスマホで何でも調べられる時代。
なんで彼女はそれをしないのか。