第7章 5話
3回目ともなると、だいぶ慣れて来た。
まずは秋葉原で起きている事件があるかを調べる。
そして、そこには必ず探している人がいる。
これまでと同じように、死んでも回避出来てしかもその感覚を覚えている人。
その人の行動が、タイムトラベル実験の失敗を回避出来るかもしれない。
一人一人の力ではどうにもならない。
でも誰かの行動が別の人の影響を受けているのは間違いない。
それが死を回避している。
という事はタイムトラベル実験もそういった一人一人の行動がつみ重なったら?
だいぶ可能性が見えて来た。
これはおそらく私で無いと見えてこない事実。
次に山田さんに会ったら、この推測が可能なのかを聞かなければ。
その前に今回の中心人物はどこにいるの?
「きゃ!」
誰かにぶつかった。
よそ見をしていたせいとはいえ、悪い事をしたわ。
でも、人込みに押されてその人物から離れてしまう。
とりあえず、どんな人かは覚えた。
次に会った時に謝らないと。
それにしても。
今回はなかなか事件に遭遇しない。
どういう事なのかしら。
そろそろダイビルに入る時間。
それなのに事件が起きている気配もないし、探している人物にも会っていない。
少し不安になる。
仕方ない。
まずはダイビルに入る事が先決だわ。
もしかしたら、すでに事件は起きていてその人物は侵入しているかもしれない。
これまでもがわりと大きな事件だったから今回もそうだと思い込んでいたけれど。
私にとっては事件ではないかもしれないけど、その人にとっては大事だとしたら?
そんな考えが頭をよぎる。
「きゃっ!」
またぶつかってしまった。
だけど、その人物こそ探していた人だった。
そして。
彼女こそがまさに、今回の中心人物。
水谷優子と名乗る彼女は、今日アルバイト先の店のお金を持ち逃げした犯人を追っていたみたい。
しかもかなり大きなお店なため、その金額もかなりの大金。
それを聞いて、やはり今回も事件が起きていたと確信した。
そしてその事件の影響を受けている。
今の時刻は19時。
やはりこの時間に入れる事自体は運命のように決まっている。
そしてこれから実験が失敗する事も決まっている。
それを回避出来るのはまず一人の力では無理。
でも死ぬなんて大事な事すら回避出来るという事が分かっている。
もしかしたら。
運命すらもなんとか出来るかもしれない。
そうでなきゃ、私はこれからずっと同じ日の同じ時間を繰り返す事になる。
そんな事、あまり想像したくない。




