第7章 2話
非常に困った事が起きた。
やっとダイビルの場所が分かったと思ったら、事故が起きてそこへは行けなくなっている。
どういう事!?
そこにさきほど声をかけた女性がやって来た。
彼女は山田・クリス・恵子と名乗った。
なんでもCRENという欧州にある科学研究所で働く科学者の一人みたい。
今日は長期休暇を貰えたから、初めての秋葉原観光へと来たらしい。
警察の事故の調査が終わるまではダイビルに入れないのはどうにも出来ない。
そこで私は今回起こった事を話し始めた。
普通なら信じてもらえそうもない内容。
だけど彼女にも心当たりがあるような事が起きていた。
それは、死んだと思ったような感覚が残っている事。
実は、これは私も同じ感覚を覚えている。
まさに、ブラックホールに飲み込まれた事が無かったかのような感じ。
つまり。
今、この瞬間にもタイムトラベルが起きている。
山田さんの推測からするに、その実験による失敗により時空が歪んでいる恐れがある。
その為、何かのきっかけでタイムトラベルのような事が起きている。
だけど、まだ分からない事もある。
普通タイムトラベルで過去に戻った場合、同じ事が繰り返される。
前と別の行動を起こさない限り、同じ時がもう一度来ただけなのだから。
そこに時空の歪みが関係あるのでは?とも推測した。
もちろん、なんの証拠もないし、無理矢理な理論だというのは彼女も理解している。
だけど、私にとっては実際に起きている事。
科学というのは一度起きてしまった事については、それが例え非科学的だろうとも認めて解析をする人間だという事らしい。
タイムトラベルというのは理論上の出来事で、まだまだ現実的では無いというのが常識ではあるけど。
でも、私にとっては起きてしまった現実。
なんとかしないといけない。
それにしても。
初めて出会ったのが彼女で良かった。
もし、私一人だったらどうしていいのか分からないまま混乱していた。
そして。
この出来事をきちんと理解しようとしてくれている。
その言葉も、推測だと言いつつも説得力はある。
何故なら、今回は秋葉原に火事が起きていない。
あれのせいで秋葉原はかなり大事になっていた。
だけどその変わりに事故が起きている。
一緒の時間を追いながらも、違う出来事も起きている。
こういう事には疎い私にとっては、理解不能な事だらけだわ。
しばらくすると、やっと事故の調査も終わり片付けも終わり、通行可能になった。
やっとダイビルに入れる!
時刻を見ると19時。
初めて秋葉原に来た時に、ダイビルに入った時刻と同時刻。
これも偶然とは言い切れない。
恐らく”何か”が起きている。
だけど、この事態をどうすればいいのかまでは分かっていない。
それを恵子に話す。
すると同じ事が起きている事と、違う事が起きているこの”差”。
それがおそらく今回の事件を解決する鍵になるかもしれない。
そう彼女は言った。




