第6章 4話
-19:00-
そろそろ空が暗くなって来た。
いくら夏とはいえ、この時刻だと暗くなって来る。
そして、待ちぼうけをくらっている私。
あれからメールの返信はまだ来ていない。
お父さんは無事なんだろうか。
ネットのニュースではすでに秋葉原の火事の事は載っている。
今の所軽傷の人はいるみたいだけど、誰か死んだという事は無いみたい。
少なくともお父さんはまだ生きている。
また遠くで人の声が聞こえた。
かなりの大声で騒いでいるみたい。
そっちの方向を見ると、煙が出ているようにも見える。
これで4件目。
まず間違いなく放火であるのは間違いない。
これで確証を得たと言ってもいい。
でもここで不思議な事に気づく。
秋葉原の駅周辺では事件は起きていない。
まるで避けているかのように。
もし騒ぎを起こしたいなら、この周辺が一番のはず。
一体何が目的?
消防のサイレンの他にも、パトカーの音も聞こえる。
かなり大きな事件へと発展している。
あっ。
私のスマホが鳴っている事に気づく。
「もしもし!?」
『凛か、すまない。気づくのが遅くなって』
「ううん。無事ならいいの」
『無事?』
「うん。さっきから秋葉原周辺で火事が起きているの。だからお父さんが巻き込まれていないかと思って」
『そうか。こっちはなんともないよ。それよりもいよいよ実験を開始できそうだ』
え!?
「良かった。トラブルはなんとかなったのね」
『ああ。ところで今はどこにいるんだね?』
ここは確か。
「ヨドバシカメラ辺りよ。近くにお店が見える」
『分かった。ヨドバシカメラに迎えの車を手配するから、それに乗ってくれないか?』
「分かった」
電話が切れる。
良かった。
何やら不穏な事件が起きているみたいだけど。
そういうのは警察に任せればいい。
それにお父さんの所は無事って言っていたし。
気にしないでおこう。
しばらくすると、黒塗りのベンツが現れた。
あれが迎えの車!?
出て来た人物はやはり、お父さんが言っていた迎えの人のようだった。
こんな凄い車を用意出来るなんて。
そういえば、お父さんの仕事先の事とかあまり聞いていなかったわね。
忙しくて大変そうというのは知っていたけど。
かなり凄い研究チームなのかな?




