第6章 3話
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何やら胸騒ぎを覚えたのは、二度目の火事が起きた事を聞いた時だった。
この狭い空間で二度も起きている。
そこで頭によぎったのはもちろん”放火”。
偶然にしては出来過ぎている。
誰かが意図的に起こしているとすれば、不思議では無くなる。
でも一体何の為に?
普通連続放火をやる時は、近くを狙うケースが多い。
当然一人でやるのだから、そんなに遠くへ急には移動は出来ない。
様々なケースで連続放火をやる場合があるらしいけど。
だいたいが火を見たいか、もしくは野次馬をみたいかのどちらか。
まだ警戒が薄いうちに次々とやりたがるとは聞いた。
そうだとすると、今回はちょっと違う。
確かに時間は開いてはいるけど、場所も離れている。
あまり連続して放火をやるメリットが無い。
時間を置けば警察だって警戒をする。
捕まりたくなければ、混乱させる為にもあちこちやるには近場でやるのがほとんどらしい。
スマホで秋葉原の地図を見る。
特に関連がありそうとは思えないが、連続で起きている事に意図があるのかしら?
しばらく悩んでいると、また街の人が騒いでいる。
どうやら3つ目の火事が起きているらしい。
ここまで来るとさすがに街の人達も恐怖を感じている。
これはまず間違いなく放火でしょうね。
偶然の事故による火災だとしたら、この狭い空間で3件も起きるという事はあり得ない。
それよりも人がわざとやってると見るのが正しい。
さすがに遊ぶ余裕が無くなってきたのか、通行人は次々と帰って行く。
確かにこの状況だと、次は巻き込まれる可能性だって出てくる。
巻き込まれる?
そこで私はスマホを見る。
これは緊急事態だわ。
私はお父さんに電話をする。
何処で研究をしているのかは分からないけど。
少なくとも事件が起きている事は教えてあげないと。
実験に没頭していて、外で起きている事に気づいていない可能性もある。
だが、どれだけ経ってもかからない。
お父さんが心配になってくる。
もしかして、すでに巻き込まれているとか?
どうしよう。
でもお父さんの研究所って、かなりの大きさがある場所とは聞いている。
今起きている場所は、どれも言うほど大きな建物じゃない。
だから、万が一すでに巻き込まれているという事は無いはず。
それでも、電話が繋がらない事に不安を覚える。
念のためにメールを送っておこう。
さすがにお父さんでもラインは知らないから、そっち経由では送れない。
後はメールを見てくれるのを祈るのみ。
あとは、私はどうしたらいいか。
少なくとも建物の中に入る勇気は今の所持ち合わせていない。
どうしようか。




