第6章 2話
-17:00-
秋葉原はオタク以外の人には遊ぶ所が無い。
そう思っていた。
事実、オタク用のお店はあちらこちらに見える。
だけど。
そうでも無い人にも、それなりに楽しめる所はある。
まずはドン・キホーテ。
様々な商品が激安価格で売られているというのでお馴染みの店。
当然、あちこちにはあるのは知ってはいるけど、中に入るのは初めて。
狭い通路だけど、数々の商品が所狭しと並んでいる。
これを見ているだけでも、相当時間が潰せる。
それにゲームセンター。
ゲームをやる人は勿論の事だけど、私のようにプリクラを撮る人にもお世話になる場所。
プリクラならば女の子はだいたい利用した事があり、別にオタクが主に使うという所でも無い。
それでもこの街は様々な機械のパーツを売っていたり、パソコン商品が並んでいたり、そしてアニメやゲームの商品があるのがほとんど。
あれから1時間くらいは経つけど、まだ連絡は来ない。
相当、大変なトラブルが起きているみたい。
しかも、この土壇場で。
それでもお父さんはなんとかしようとしている。
そうでなきゃ、一旦帰らせようとするはず。
もっとも、夢中で忘れているという可能性もあるんだけど。
それでも、私の方から邪魔はしたくない。
あの私を招待してくれた時の嬉しそうな表情を見たから。
お父さんがどれだけ、私に自慢したいのかが分かる。
科学者の研究員として、あまり成果を上げる事が出来なかった。
そんな日々を送ったからこそ。
今回の研究が認められ。
ようやく今日という日を迎える事が出来た。
だからこそ、邪魔はしたくない。
そうは思うけど。
そろそろ暇を持て余す頃。
さすがにオタク的な趣味を持っていないと、この街では楽しめなくなって来る。
あれ?
何か中央通りの方が騒がしくなっているみたい。
ちょっと行ってみよう。
何やら人が集まっているみたい。
ここからだと、何が起きているか分からない。
何かのイベントかしら?
それにしては、色んな人達が集まっている。
アイドルのサイン会みたいな、一定の人達が集まっているという感じではない。
むしろ野次馬的な感じ。
もっと普遍的な何かが起きるのか、これから起きるのか。
さすがに今の時間だと、何かの販売って訳でも無いわよね?
もう17時は過ぎている。
今更何かイベントを起こすって時刻じゃないはず。
何なのかしら?
あれは!?
お店から煙?
やがてサイレンが鳴り響く。
消防車が駆け付けた。
どうも火事みたい。




