第6章 坂本凛の場合
-0週目16:00-
ここが秋葉原。
名前は何回か聞いた事はあるけれど。
実際に足を踏み入れるのは初めて。
噂ではオタクの街というふしだらなイメージだったけど。
実際に見て見ると、ゴチャゴチャはしているがエッチな広告とかに溢れているって事は無い。
それどころか、綺麗な街という感じ。
それは目の前にあるUDXからも、そんな印象を受ける。
この電気街口広場でも、様々な人が行き来しているだけで何か特別な事をやってるって事もない。
もっとコスプレだとかアニメのイベントとかが行われているんじゃないかと思っていたけど。
実際はそんな事は無いみたい。
やっぱりイメージだけで謙遜するのは良く無いわね。
確かに可愛らしい女の子のポスターは見かける。
でも、そこまであちこちにあるって訳でも無い。
あれくらいだったら秋葉原以外でも見かけたりする。
確かに雰囲気がちょっと違うかなって気もするけど。
イメージとは違う場所だという事が分かった。
それにしても。
ちょっと遅いわね。
ポケットからスマホを取り出す。
そこには予定として16時秋葉原駅と書いてある。
その予定の時間からそろそろ10分過ぎようとしていた。
お父さんの話だと、迎えの人が来るって話だけど。
私の写真は見せているはずだから、分からなくて探しているなんてのもあり得ないと思うんだけど。
もうちょっと待ってから、お父さんに電話してみようかな。
なんか、忙しそうだからあまり邪魔はしたくないけど。
でも今日は素晴らしい事があるから来てくれって話だし。
あまり遅いと、お父さんの予定も狂っちゃうんじゃないかな。
あっ、スマホから着信があった。
電話に出る。
「もしもし?」
『もしもし、悪いね。連絡が遅くなって』
「どうかしたの?」
口調が明るくない。
何かトラブルでも起きたのかしら?
『土壇場でミスが見つかってね。悪いけどもうしばらくかかるから、どこかその辺りで遊んで時間を潰して欲しいんだ』
もう。
「分かった。大丈夫になったら、また連絡頂戴?」
『ああ。すまないね』
「ううん、いいの。実験頑張ってね」
それだけ言うと電話を切った。
さて。
そうなると、この初めての街で遊ばなきゃいけないって事ね。
いつ連絡があっても大丈夫なように、この秋葉原から出るって事は止めておいた方がよさそうね。
とは言っても、私は漫画もアニメもそれほど詳しい訳じゃない。
はたしてそんな私がこの街で時間を潰せるのかな。
とりあえず、あちこち散歩してみましょう。




