第3章 11話
-水谷優子の場合-
不幸中の幸いが起きた。
偶然にもばら撒かれたチラシに興味を持った人が多数現れた。
なんとか助かったのかしら?
電話が鳴る。
「はい。もしもし」
「水谷さん?チラシ配りご苦労様。今日はとても売上が良くてもうしばらくすれば完売御礼になるわ」
そこまで?
「もう配る必要は無いわ。頑張ったみんなにはご褒美を上げたい気分よ。お店に帰ってちょうだい」
やった。
これで安心して帰れる。
ふぅ。
それにしても。
一体誰がこんな事を。
安心したおかげで、ようやく怒りがこみ上げる。
お店の売り上げを盗むというのは、立派な犯罪。
私はそういうのが許せない性格。
だからこそ、学校では生徒会長となって悪い事を厳しく罰してきた。
もちろん、それはあくまで人に危害を加えるような事。
少々校則から外れていても、それをとやかくは言わない。
あまりにも窮屈な学校生活は嫌な思い出しか残らない。
だから、迷惑をかけない程度ならば見逃していた。
だからこそ、人に迷惑をかける事には厳しくしていた。
弱い者を助け、強いだけで威張ってるような人達には徹底的に対抗していった。
それが私。
だからこそ、私自信もアルバイトをしている。
別に校則で禁止はしていない。
だけど、メイド喫茶は普通は選ばない。
でも、だからこそそういう世界を見てみたかった。
悪い事をしている訳でもない。
新しい自分を見つけたいがために。
だけど、気が付けば自分は自分だった。
犯罪を目の当たりにしたら、本来の私が出て来た。
このまま許す訳にはいかない。
いくら警察が捜査しているとはいえ。
今更私が捜査した所で、犯人を捕まえられるとは思っていないけど。
でも、このままにするつもりはない。
お店に帰ったら店長に捜査をしていいか聞いてみよう。
独断でやるつもりはない。
それは単に自己満足になる。
そうではない。
私を雇ってくれて楽しい時間を与えてくれた所に恩義もある。
許されるならば、私は私で捜査をしてみたい。
あれ?
何か光った?
中央通りの道路の方から。
何もないのに突然光った気がした。
次の瞬間。
私の目の前で、爆風が起きた。
まるで爆弾が爆発したかのような衝撃が!




