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タイムリング2  作者: 山本吉矢
33/74

第3章 9話

-矢野里香の場合-


ふぅ。

慣れない事はするもんじゃなかったなぁ。

慌てて渡ろうとしたら人にぶつかるなんて。

わざとじゃないけど、罪悪感は残っている。

そうだ。

まだ調査が終わっていない。

確か住所はあっちの方向。

あれ?

私の目線の先に、知っている人物によく似た人がいた。

いつも見る服装とは違うし、帽子をかぶっているしおまけに眼鏡もかけている。

もしかして変装?

そうだとしたらなんで?

これは怪しい。

ちょうど行先と同じ方向へ歩いている。

可能性は高い。

よーし。

こっそり後を追ってみよう。

大丈夫。

私以外にも同じ方法へ歩いている人は沢山いるし、万が一私に気づいたとしても偶然を装えばいい。

一番まずいのは尾行しているって事に気づかれる事。

そんなの怪しいに決まっている。

本当は向こうの方が怪しいんだけど。

でも、まだ確証は無い。

あくまで可能性があるってだけの話。

だけど私は人を尾行しているその事実だけで怪しい。

何の確証もない、単なる偶然かもしれない。

そんな僅かな事で尾行している。

でも、なんとなくだけど。

今回の犯人のような気がする。

たぶん、気づいた時にどんな行動を取るかで決まる。

もし私に気づいても普通に挨拶すれば、犯人でないかもしれない。

だけど逆に逃げればほぼ確定。

あまり気が進まないけれど。

他に当てもないし。

この推理が外れてくれればそれで良し。

私の先生を困らせるなんて事は今回だけにしてほしい。

だからこそ。

まずは身内の可能性を潰す。

曲がり角をまがった。

慌てずそのままのスピードで。

ゆっくりとその角を回る。

え!?

走ってる!?

これは。

逃げた!

慌てて追いかける。

これはまず間違いない。

あの人が犯人!

くっ。

中央通りを走っているせいか、人込みが微妙に邪魔をする。

だけど、それはあっちも同じはず。

そんな時だった。

中央通りの道路からもの凄い爆音と爆風が吹いて来たのだった!


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