第3章 3話
-桜崎遥の場合-
色々とお店を聞きまわっている内に変な事が分かって来た。
それは中央通りのお店は被害を受けていないという事。
もちろん、大通りに面した店を襲うというのはかなりのリスクがある。
それだけ人に見られやすいから、狙いづらいというのは分かる。
それでも、裏道がある以上まったく狙われないというのは不思議。
まるで意図的に避けているかのよう。
もしかしたら、これが犯人に繋がるヒントかもしれない。
もちろん、中央通りにあるお店なんてどれも有名で大きな店ばかり。
でも、だからこそ普通はこっちを狙うはず。
わざわざ小さい店を狙う意図がまだ読めない。
よほどマニアックな物を狙うなら分かる。
でもパソコンなんて、小さい店だろうと大きな店だろうと扱う物にそこまでの差があるとは思えない。
確かに小さい店ならではの、きめ細かいサービスはあるでしょうけど。
もしかして、犯人はそこまでパソコンの事を知らないのでは?
性能だって最新の方が良い物が多い。
もちろん旧式のでも性能がいいのはある。
でも最近の方が内部の部品に良い物を使ってるのが多いのは事実。
何に使うのかもまだ分からないけど。
単純に性能が良い物を使いたいのが普通。
でも詳しくなくて、単に知っている単語が並んでいるのを盗んでいるとすれば?
最新のパソコンは、もちろん新機能を積んでいるのもある。
そんな訳の分からない物よりも、知っている物ならば安心出来るという心理。
それで最新のを狙わないとすれば。
普通に考えれば矛盾した考え。
大量にパソコンが必要という事は、知識がある人が関わっているはず。
なのに狙うのは知識が浅い人。
待って。
つまり、盗んでいる窃盗団はただ数だけ欲しいって事?
そうなると、重要なセキリュティ突破の為じゃない。
それは性能も必要となる。
そうじゃない。
単に数が欲しい。
性能を必要としない事。
ネット犯罪は除外される。
ネット犯罪をする人達はもちろんパソコンに詳しい集団。
性能を劣る物を欲しがるとは思わない。
そうなると。
単純に考えてプログラムを必要とする為だったら?
それなら、そこまでの性能は必要とはしない。
処理能力は欲しいでしょうけど、とにかく数が欲しいって事はそれだけ大量にいるって事でしょう。
それだけのプログラマーもいる場所ってどこ?
この秋葉原は、そんなに大きな建物というのは限られてくる。
一番有名なのがUDX。
でも、あそこで何かしているのなら目立ちすぎる。
犯罪をやるには、一番向かない所。
そうなると。
ふと気づいた。
だから中央通りのお店は狙っていないって事に。
中央通りには大き目のビルもある。
おそらく、その中の一つがアジトなんだわ。
でも中央通りの店まで狙えば自分達も危ない。
そういう事ね。
ようやく犯人の姿が見えて来たわ。
そう思った次の瞬間。
中央通りの車道からもの凄い爆音が響いた。
熱風と爆風が私を襲う。
熱が私の身を焦がしながらも、あぁまたこんな事にと考えていた。




