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タイムリング2  作者: 山本吉矢
25/74

第3章 18:00

-矢野摩耶の場合-


何やら衝撃があった。

どうも路肩に乗り上げ、止めてあった自転車を吹き飛ばしたようだ。

「ちゃんと前を見て運転しろ!」

バスジャック犯の一人が声を荒げる。

確かに今のは危なかった。

もし今の衝撃で、この爆弾が爆発したら死ぬ所だった。

衝撃で爆発?

何か引っかかる。

なんか一度体験しているような気がする。

そうだ。

今から約1時間半ほど前だ。

あの時に不思議な感覚を体験した気がしていたんだ。

どうにも、今日は変な事が起こる日だ。

そもそもこいつらは何が目的なんだ?

あれ?

今通り過ぎた建物には見覚えがあった。

中央通りにあるドン・キホーテ。

そう言えば何度も見ていた気がする。

緊張していて、外をゆっくり見ている余裕が無かったから気づくのが遅れたけど。

ぐるぐると同じ所を回っている。

なんで?

この時間はだいぶ渋滞も解消されたのか、バスの進むスピードは速くなっている。

でも、同じ所を移動しているだけでは渋滞だろうが意味が無い。

どこかへ向かっていたんじゃないのか?

目的の場所が無いとなると。

次に考えられるのは。

もしかして囮?

本来は警察が来て事件にもなっているはずだがそれが無い。

どんなに分からないように取り繕っていたとしても、これだけ同じ場所をぐるぐる回るバスがいたら、怪しいことこの上ない。

それなのに、未だに警察の姿すら見えない。

おそらく何かの時間稼ぎの為に、こいつらは囮になっていると考えられる。

同じ所を移動しているなんて、見つけて下さいと言っているようなもんだ。

そうなると、時間さえ経てば解放される可能性が高い。

注意さえ引きつければいいんであって、無駄に人質を殺すのは取引の材料が減るだけだ。

本来であれば、警察との交渉に使う為に僕達が捉えられているって訳だ。

だが、それが一向に行われない。

そういう意味では、とても変な事が起きている。

あっ。

目の前に車が横切る。

まずい。

信号を無視した車がバスの目の前にあった。

ガン!

もの凄い衝撃が来る!

「くっ!」

その次の瞬間。

とてつもなくまずい状況だと思った。

そう。

爆弾がバスの先頭へともの凄い勢いで滑っていく。

そのまま料金箱へとぶつかる。

その次に起こる事は容易に想像出来た。

爆弾が光ったと思ったら。

全身は熱風と爆風に巻き込まれていた。


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