第2章 6話
え?
また!?
確かに今、拳銃に撃たれた感覚があった。
でも撃たれた跡も無ければ、そもそも撃つ人もいない。
そう。
ヤクザがいなくなっているみたい。
どうやら警察の姿があちこちに見える。
誰か通報してくれたのかな?
これでなんとか無事に帰れるかも。
ほっと一安心。
あっ!
駄目。
今一瞬目が合わなかったから助かった。
裏路地にまだいる。
大通りにいる分には安全だけど。
さすがに道の全てを封鎖するのは無理。
そして、肝心のヤクザ達が捕まっていない以上、むやみに歩けない。
これはまずい。
中央通りの東側はまだ警察の姿が多くて安全だけど。
西側にはまず行けない。
あっちの方が道が狭い裏路地が多いし。
どうも警察はこっち側を中心にしているみたいで、中央通りの西側にはあまりいない。
どうしよう。
ここから帰るとなると、どうしても大通りを渡って西側に行かないと無理。
この状況だと、蔵前通りですら危険。
あっという間に裏路地に連れて行かれて終わりというのが、安易に想像出来る。
かなり困った。
つまり、家に帰れない状況になってしまった。
不幸中の幸いなのは、東側にいる限りはかなり安全だという事。
それでも100%ではない。
ちらほら、ヤクザっぽい人を見る。
でも向こうも警察の目の前で、堂々と連れ去る事も出来ない。
警察に事情を話すか?
いえ。
この状況を説明して信じてもらえるだろうか?
実際にヤクザに狙われた所を目撃されたならいいけど。
他人の身柄を確保するというのは、あまり信用されないケース。
本来なら身内にお金を要求するのが当たり前。
でも、店長は残念ながら身内が全くいない。
親も死んでいるし、親戚もいない。
じゃあ工場を売ったら?と思うけど、あれだってそれほど高く売れるような所じゃない。
土地代だってそんなに高くはないというのは聞いた事はある。
大通りの近くならまだしも、かなり離れた裏路地にある所。
交通の便は悪い方。
借金の額にもよるけど、私を狙って風俗に売る方を選んだって事ね。
でも、一人を捕まえるのにかなり大掛かりになってるのは不思議な所。
せいぜい2~3人程度動けばいい方だと思っているけど。
少なくとも十数名は動いているみたい。
たった一人を捕まえるのに?
どういう事かしら。




