表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/16

◆美少女戦士なの?

◆美少女戦士なの?


「あれからどのくらいの時間が経ったのかな?」


木花は、洞窟に閉じ込められてから、時間の感覚が麻痺している。


家を出てから、短い間にいろいろなことが起こっていて、自分の頭では処理しきれていないのだと思う。


いま起きていることも、夢なのか現実なのか判断できていない。


不思議な衣を纏い、腰から太刀を下げた自分は、これからどうなるのだろう。


目の前を歩いている、サクヤという神様も信用してよいのだろうか。


ただ洞窟の中をひたすら歩いていると、さまざまな思いが次から次へと湧いてくる。



「ねぇ、サクヤ。 さっき聞いたことって本当なの?」


「ふふっ 木花ちゃん。 神様は必要なとき以外、嘘はつかないわよ」


「って、神様も必要なら嘘をつくんかい!」


あたしは思わず突っ込を入れる。

 


サクヤが教えてくれたことは、到底信じられないし、それを自分が成し遂げなければならないなんて出来っこない。


簡単に言うとなんでもあたしは、これから黄泉の国へ行き、伊邪那美命イザナミノミコトさんをそこから連れ出して、旦那様のところまで送っていかなければならないらしい。


そして黄泉の国には、八つはしらの雷神イカズチガミ黄泉軍ヨモツイクサという軍隊が守っているので、それと闘わなくてはいけないのだそうだ。


「ねぇ、サクヤ。 いまどき刀で戦うのっておかしいっしょ。 せめてマシンガンとかはないの?」


「あらぁ・・神様の世界では太刀は普通の武器よぅ」


「あたし戦国大名じゃないし。 マジでやりたくないんですけどぉ」


「ところで、刀には名を付けてあげたのかしら?」


「まだ付けてな~い」


話しをそらされて、あたしは少し不貞腐れてみせる。



「サクヤは、テレビで美少女戦士のアニメとか見たことはないの? ああいうのならモチベーションってのもあがるんじゃな~い」


「露出が多いのはダメですよ。 ダメージも大きいし。 体に傷がつくのは嫌でしょ」


「って、見てるし!」


「ほらっ、もうすぐ黄泉の国との境に着きます」


「あの坂のあたり?」


「そうです。 あそこは黄泉比良坂ヨモツヒラサカというところですよ」


いよいよ戦わなくっちゃいけなくなるんだ。


あたしは、ゴクリと唾をのみ込んだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ