◆八上比売(ヤカミヒメ)
◆八上比売
八上ちゃんと呼ばれた女神は、八上比売と言い大穴牟遅神(大国主命)が旦那様で、ラブラブ夫婦なんだって。
あとでサクヤにそう教えてもらったのだけど、あの戦いっぷりじゃ、旦那様は尻に敷かれていると思う。
(でも古事記では、八十神に追われて逃げた先で、須世理毘売命が大穴牟遅神の正妻になっていて微妙)
で、火雷とヤカミの戦いは壮絶なものだった。
サクヤも強かったけど、大薙刀を振るうヤカミは、想像以上の強さだった。
火雷は目に止まらぬ速さで槍を突くが、ヤカミは薙刀ではそれを受けず(受けられないんだけど)、すんでのところで躱す。
躱したあとは間髪入れず、槍よりも長い薙刀で下から払い、火雷に既に幾つかの手傷を負わしていた。
一方、あたしとヤカミは、黄泉軍(約100人)を相手に戦っていた。
あたしは、パワーアップした天羽涼風を持ち、中軍あたりで奮戦中だ。
テヤーーッ
天羽涼風を敵に向けて大きく振り落とせば、一度に3人が目に見えなくなるほどに飛ばされていく。
もう、ほとんどゲーム感覚で、途中からなんだか楽しくさえなっていた。
たまに、黄泉軍の攻撃も当たるのだけれど、その痛さはもう経験済なので何とか耐えられている。
ヤカミの方は、圧倒的な強さで黄泉軍の残りは、もう数えるほどになっていた。
味方が優勢だと気分がぜんぜん違う。 あたしは、黄泉軍の奥深くへ、勢い猛然と突進した。
敵陣へ不用意に深入りするのは、命とりになる。 あとでテレビの番組で見たけれど、もっと早く放送して欲しかったよ。
ガッ
バァーーン
キャーーッ
横から、胴にすさまじい衝撃を受け、あたしは30メートルほど吹き飛ばされた。
グッ
カハッ
ボトボトッ
口から血が滴る。
ほんとうに、口から血を吐くなんてあるんだ。
自分でも驚いて、血だまり見ていると目の前に濃い影が近づいて来た。
「随分と手下をかわいがってくれたもんだな。 借りは返させてもらうぞ!」
あ・・新手の中ボス?
そこには、見たこともないないような、大女がそびえたっているではないか。
これは、絶対に勝てない。
まるで土佐犬の前に立ったチワワのようなものじゃない。
あたしは、戦う気力を一瞬で失っていた。
次回、「地獄の一丁目」へ続く




