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いじめについて。

作者: 伊田 勇


3年前、僕はこのサイトで小説を書かせて頂きました。

「いじめ」をテーマにした短編です。


その当時、世間では大津市のいじめ問題が話題になっていました。

あまりにも酷すぎるいじめの実態。

僕は怒りに震え、小説に怒りをぶつけました。

稚拙な文章でしたが、書きたいことは書けました。

二度と、こんな悲劇を起こさないでほしい。

そう、強く願っていました。



しかし、今月5日。

また1つ、尊い命が失われました。


中学2年生の、村松亮君。


彼は駅のホームから転落し、電車にはねられ亡くなりました。

いじめを苦にした自殺でした。


いじめっ子から髪を引っ張られ机に打ち付けられたり、殴られたり、ボールをぶつけられたり、暴言を吐かれたり・・・。

そんな辛い日々を彼は送っていたのです。


亮君の顔写真を拝見しました。

優しい笑顔を浮かべる、かわいらしい男の子でした。

性格もとても優しかったようで、両親が離婚して母親に引き取られた後、「病気のおばあちゃんが心配だから岩手に戻りたい」と言って1人岩手に帰ったそうです。その後一回父親との関係が悪化し、再び母親の元へ戻ったのですが「パパには自分しかいない」と言ってまた戻ったんです。

両親が離婚してショックなはずなのに、こんなに家族を思いやれるなんて、凄くいい子じゃないですか。


それだけではありません。


自分もいじめられてる中、他のクラスでいじめられてる女の子を庇ったんです。

亮君はその子に「言いたくないなら言わなくていいけど、困ったことがあったら僕に相談してね」という言葉をかけたそうです。なんて優しい子なんですか!

普通じゃできないですよ。そんなこと。こんなに人を思いやれる中学生なんて、そうそういないのではないでしょうか。


きっとこのままいけば、彼はそうとう女性にモテていたと思います。

男である僕だって、あんな可愛い顔で優しくされたら、惚れてしまいます。


そんな、光り輝く未来を奪った"いじめ"という犯罪。



彼はずっとSOSを出し続けていました。

担任の先生との生活記録ノートに、いじめを受けていると書いていたんです。

そんな彼の叫びを、どうして担任の先生はもっとしっかり捉えてあげることが出来なかったのか?

あんなに「死にたい」と書いていたのに、なんでそれを無視したのでしょうか?

つくづく疑問ですし、怒りがわいてきます。

今も逃げているようですが、真実を話す事があなたにできる亮君への罪滅ぼしなのではないですか?



でも、僕が本当に許せないのは、彼をいじめ追い詰めた連中です。

ここから書くのは、僕が彼らに伝えたい事です。




いいか?

お前らのした事は「殺人」なんだよ。

お前たちは未来ある罪なき少年の命を奪った、「人殺し」なんだよ。わかってるのか?

どうやら、自分たちのした事がどれだけ重い罪なのかわかってないみたいだな。

まあでも、これからじっくり思い知るだろうよ。どれだけ取り返しのつかない事をしたのか。

お前たちに明るい未来なんてないぞ。法が裁かなくても、社会がお前たちを裁くんだから。逃げても無駄だぞ。どこに行ったって、過去はついて回る。就職するときも、結婚するときも、子どもができたときも、死ぬときも決して消えやしない。

犯罪者というレッテルを貼られて生きていくんだ。

お前たちが幸せになる日なんて来ないぞ。

一生苦しんで苦しんで苦しみ抜いて死んでいくんだな。


もし、お前たちに少しでも良心があるなら、すべてを白状しろ。

そして、命懸けで謝罪しろ。



逃げ続けるのが一番卑怯なんだよ。



いいか、このまま逃げきれるなんて思うなよ?


今のうちだけだからな、守られてるのは。


お前たちに待ってるのは、生き地獄だからな。




今、いじめられてる子たちへ。


お願いだから、絶対に自分から命を絶とうなんて思わないで。

君たちは何も悪くないんだから。死ぬ必要なんてこれっぽっちもないんだよ。

今まで辛かったよね。苦しかったよね。

でも、これ以上耐える必要なんてないんだ。我慢なんてしなくていいんだよ。逃げたっていいんだよ。

学校なんて行かなくたっていい。道はたくさんあるから。


そして、難しいかもしれないけど、勇気を出してほしい。どうか、1人で抱え込まないで、家族、先生、友達、誰でもいいから。SOSを出してほしい。必ず、あなたを守ってくれる人がいるから。


どうか、生きて。





いじめは犯罪です。暴行です。

絶対に許される行為ではありません。


もし今あなたがいじめをしてるなら。

今すぐやめろ。

あんたがしたその罪は、多くの人を傷つけ、やがて自分に跳ね帰ってくるから。

絶対にやめろ。





最後に



村松亮君のご冥福を心よりお祈り申し上げます。












最後まで読んで頂き、ありがとうございました。



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