第5話 悲しみの嵐
『は、、、、、はははははぁ・・・・・?』
自分でも震えているのが分かった。お父さん、みあ、お兄ちゃんが死んだ?って・・・・・・・。
「お ね え ちゃ ん・・・・な。。。。の?」
梨花・・・・・。
どうして、こんなにも痩せて・・・。
この前までは普通だったじゃない・・・。
お母さんが重たい口を開いた。
「梨花ねぇ、精神的ダメージが大きすぎて脳がやられてるみたいなんだぁ・・・・。
梨花、精神科に通っているの。私、考えて梨花は田舎に住ませた方がいいと思って、、、
梨花はあっちの精神科に通ってもらうことにして、おばあちゃんのとこに預けようと思うの・・・。
ゆなはせっかく勉強して入った中学だし、引っ越すのは嫌だと思って引越しは考えていないわ。
大地はまだちっちゃいし、色々と分からない事も多いでしょう?
それに、大地まで面倒見させるわけにはいかないわ。母親としての意地もあるし。
ただ梨花は、、、、、もう限界なのよ。分かってやって。」
母はひどく疲れた顔で重たい口で言ってくれたがその内容は母親らしい言葉だった。
でも、私には意味わかんなかった。今世界で何が起こっているのかココで
何が起こっているのか・・・。悲しいも何も、おにいちゃんのショックもあるのに
さらにどっと何かに取り付かれたようだった。
「ゆな、ごめんね。辛い思いさせて・・・・・。状況が分からないわよね・・・。
ハァ。。。。」
お母さんはすっごく疲れてて、悲しい感じでやつれてて死んだ魚のような目だった・・・・・。
『『ピンポーン』』
「優子!あたしよ〜優奈!」
優奈とはお母さんのお姉さんのことである。たぶん、大地と一緒に来たのだろう。
「あっぁ、お姉ちゃん。。せっかく来た所悪いけど梨花と病院行って来るから、
大地とゆなのことよろしくね。。ごめんね、ホント。。。」
「お母さん、梨花お姉ちゃんと病院!?」
「えぇ、大地。帰ってきたらいっぱい遊びましょうね。」
「うん!お母さん!!早く帰ってきてね〜〜〜〜〜!!!!!」
大地はあまり状況を把握できてないみたいで、ムードにふさわしくない嬉しそうな返事をした。
でも、それがすごくすごく幸せそうでほほえましい光景だった。
「お姉ちゃん、ゆなに。。。。お願いね。」
お母さんのお姉ちゃん、優奈さんはコクリと頷くと
「いってらっしゃい」
と言って見送った。
優奈さんはパンパンパンと手を叩くと
「さ・て・と・・・・じゃあ、あっちいこっか。大地もおいで。」
私は優奈さんと大地の後に続いて居間に行った。
「今から、今の状況を全てお話します。いいね?覚悟して聞いて。私もこのことを知った時は
1週間、泣き続けたしすごく受け入れにくい事実で信じられなかった。しかも、あんた達
子供のことを考えると余計に辛くて、私、優子の相談にのってあげることくらいしかできなくて
役に立たない自分が情けなかった。でもね、私これからは現実を受け止めて頑張ろうと
思って・・・優子も頑張ってるしね・・・。」
私だってこれから知る現実を受け止めたくないよ。
嫌な感じがするのはバカな私にだって分かるもん。ちっちゃい大地にだって分かるもん。
ねぇ神様、恐ろしい現実は襲い掛かってくるもんだね・・・・。
この後私は、悲しい不幸の連続を知ることになる。