第13話 ついに・・・
はぁ。。。。
あんまり眠れなかった。
一睡もできなかった・・・というワケでもないが、熟睡できたハズもない。
今日は運命の登校日だ。
皆にとっては、普通の日かもしれないけど私にとっては運命の日といっても過言ではないだろう。
「ゆなぁ〜。」
お母さんが1階で呼んでいる。私が今日登校するにあたって、私が遅いから呼んでいるのだろう。
『はぁ〜い。』
私は髪ボッサボサのまま、1階へ下りた。
「ゆなッ!起きてたの?」
あの事件から、2週間。皆も少しだけ、ほんの少しだけ落ち着いてきたみたいである。
がしかし、やはり、このキズは一生癒えないだろう。
『うん。眠れなくて・・・。』
「ダメじゃない。ちゃんと寝なきゃ。体力もたないわよ〜。」
お母さんは普通だった。変に気を遣ってるわけじゃなくて。でも、どこか寂しい様子だった。
『大地は?』
「まだ、寝てるわ・・・。大地も幼稚園に行くっていきなり言い出したのよ?
お姉ちゃんのことしっかり見てるのよね。真似したかったのかしら。
そんなに慌てなくてもいいのに・・・。ゆなも大丈夫なの?」
私はこのとき、嬉しかった。大地の行動が・・・。
真似でもなんでも嬉しかった。大地はやっぱり大人なんだと思う。
その行動が・・・考えてくれているんだなって伝わって嬉しかった。
「ゆな?何、ニヤけてるのよ。どしたの?」
『ううん。何でもないよッ!顔洗ってくるね!!』
「変なの・・・。」
顔洗って、朝ごはん食べて、歯磨きして、髪セットして、あとは着替えるだけ!!
『久しぶりに着るなぁ・・・。この制服。』
あの事件で、痩せたせいかウエストがゆるゆるだった。
『やっばぁ・・・・。』
「どしたの?・・・・あらやだ。痩せたわね、ゆな・・・。」
普通の人だったらこれは喜ばしいことだが、私にとっては全然喜ばしくない。
痩せた数だけ、深刻さが増すからだ。
「・・・ちゃんと食べなさいね。」
そう言うとお母さんは、私の部屋から出て行った。
『はぁ・・。心配させちゃダメなのに・・・。栄養失調にならないようにしなきゃ!』
私は、着なれない制服にネクタイをし、スクールバッグにハンカチを入れて、
準備万端!で悠也を待った。
「ピーンポーン」
悠也がきた。私は
『(タイミングよすぎ!!マンガじゃないんだから・・)』
なんて、能天気なこと思ってた。自分でも何思ってるんだろうと自分自身を疑った。
・・・・・気を取り直して、、、
『お母さん、じゃ行って来るね。』
「しっかりね。何かあったら・・・・」
お母さんがそういいかけたとき
『いってきまぁ〜す。』
私はそれを無視して、大きな声でそう言った。
だって、お母さん何言い出すか分からないから・・・。
「おはようございます!」
と一言悠也がお母さんに言うと、お母さんも一言
「おはよう。」
と言って2人の会話は終わった。
私は勢いで、外に出ちゃったものの体がガチガチに固まって動けなくなった。
・・・・・・ホント、情けない・・・。
『外に出るの、、、久しぶりで。。ごめん。』
私は悠也に一言謝った。情けなかったけど。
「ううん。無理しないで。ゆっくり行こう!大丈夫、俺がついてるから。」
私はあなたのこういう所に惹かれたんだ。
あなたは私にとってかけがえのない人だよ。ずっと。。。
『ありがと。力抜けた!!えぇっと、久しぶり。』
私は緊張したからゆっくり歩きながら挨拶を交えた。
「うん、久しぶり。ゆな、学校久しぶりだろ?
色々、不安だと思うし人の目とかも気になるとは思う。でも、ここで
負けて欲しくないんだ。2学期ももう終わりだし、ちょっとの辛抱だと思ってさ。
家の事情とかもあるかもしんねぇ。俺、できる限り守るから、だから、頑張って欲しい。
がんばれとかもうウンザリかもしんねぇけど、ゆな、今は頑張るっきゃねぇと思う。
俺、気持ち分かってあげられないかもしんねぇけど、辛いのは分かるよ・・・。
バカな俺にだって。。。。ゆな、一緒に乗り越えよう。この壁を・・・!」
悠也、あなたはその時真剣にそう言ってくれたよね・・・・。
あなたに頑張れって言われて、私初めて頑張る気になれたんだよ。
これから、あなたと一緒に頑張れるって本当に思ったもの。
あなたの気持ちがひしひしと伝わってきたよ。
幼馴染としてかもしれない、でもそれでも嬉しかったんだ。
あなたが守ってくれるって言ってくれて、、、私、どうしていいか分からなくなるくらい
混乱してた。それだけ、動揺してた。
でも、その動揺は悲しさからきたものではなくて・・・・嬉しさからきたものだったんだよ。
そんな事、言ってるうちに学校に着いたんだよね・・・。
校門を抜ければそこには・・・・・・!!?
意外と早く更新できました!!
コレも皆様の支援のおかげです。ありがとうございます。
では、最近は暑いですががんばりましょう(≧∀≦)/