こんな登校風景が夢でした
どうもこんにちわ! 僕は勇魔。魔勇勇魔って言います。年は今年で16才になる予定の15才です。
身長160センチ、体重40キロの普通より小柄に見られる男子高校生です。
お父さんの名前は世乃栖で、お母さんの名前は多梓亜って言います。2人ともとても優しく暖かくて、そんな2人が僕は大好きです。
でもそんな仲むつまじく、ヒマさえあればイチャイチャしてる2人も仲違いする事があります。そうです。所謂夫婦喧嘩は犬も喰わないというやつです。
なんだか2人とも、喧嘩してる時は闘気というかオーラというか、とにかくそんな不思議パワーを纏って喧嘩してます。でも結局のところふとしたキッカケでお互い謝り出して、またイチャイチャし始めます。
そういう時の2人は何時もより仲が良く、何故か僕に「弟か妹、どっちがいい?」と必ず聞いてきます。
正直返答に困ります。僕ももう子供じゃないんだから、いい加減あの質問はやめて欲しいと思う今日この頃です。
まあ、お父さんとお母さんの話はひとまずこれくらいにしておきましょう。そろそろ友達と合流する地点なので。
「おーい! ユウくーん!」
「ユウ兄さーん! 待ってぇー!」
ウワサをすればなんとやら。件の人達がやってきました。取り敢えず朝のご挨拶から。
「おはよう瑠那ちゃん、日向ちゃん」
僕目掛けて全力疾走してきた2人組み。僕より5センチ程背が高くて、右側に結んだサイドポニーが特徴的なのが錦瑠那ちゃん。
そして僕と同じ位の背丈で、左側に結んであるサイドポニーが特徴の方は錦日向ちゃん。
この2人は姉妹で瑠那ちゃんの方がお姉ちゃんで日向ちゃんの方が妹。そして2人と僕は『幼なじみ』という単なる友達よりも深い関係で結びついていると前に2人から教わったので、友達ではなく幼なじみ……だそうです。
「はぁはぁ……おはようユウ君」
「はぁはぁ……おはようユウ兄さん」
2人とも息も絶え絶えです。まあ、あんなに走ってきたらそりゃそうかもしれません。
「お疲れ様2人とも。学校まで歩ける?」
「もう疲れちゃったぁ。ユウ君おぶってって~」
「姉さんズルいですよ! 私だって疲れました! ユウ兄さん、私お姫様抱っこがいいです」
「いやぁ……流石におんぶとお姫様抱っこは併用できないよ……」
人1人背中に乗っけて、もう1人をお姫様抱っこなんて高等技術は未だかつてやったことがないし、かなりシュールな光景でもあるよね。 僕潰されちゃうよ。
「ユウ君、今日の一限目ってなんだっけ?」
「数学だよ。小テストやるって先週言ってたのも忘れてる?」
「ええー! 聞いてないよぉそんな話!」
「姉さんの事だから寝てて聞き逃したとかじゃないんですか?」
「日向ちゃんそれ当たり」
雑談しながらの通学路って短く感じます。気が付けばもう校門の前でした。
「それじゃあまたお昼に。ユウ兄さん、姉さんの事お願いしますね」
「任せておいて。今日こそ眠らせないからさ」
「あー、眠らせないだなんてユウ君のエッチィ~」
「そういう意味じゃないよ! 瑠那ちゃんが授業中に寝るのを阻止するっていう話だよ!」
「でもユウ君となら……眠らずに激しい夜を過ごしても瑠那は……いいよ?」
「いいよ? じゃないよぉ!」
「私も! 私も何時でもばっちこいですよユウ兄さん!」
「もう! 早く教室行くよ!? 日向ちゃんまた後でね!」
これ以上は収拾がつけられそうになかったから、強引に「もう……ユウ君てば強い……」「それホントにやめて!?」瑠那ちゃんの手を引っ張って教室へと向かいました。
でもまあこれは日常茶飯事ですけどね。むしろまだまだ序の口でしたよ。本当に疲れるのはむしろこれからなのです。