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幽霊は意外とまとも

 径真は一人で家の中の探索を開始した。

最初に入った玄関から、板の間を抜けると襖で仕切られた多くの部屋が出現した。

日本家屋にはきちんと仕切られた壁が殆どない、上襖を取っ払ってしまえば大きな一つの部屋になるようにできている。

つまり、何が言いたいかというと。

「ガランドウだな本当」

家の中にはほとんど何も無かったのだ。もちろん懐中電灯で照らせる範囲にも限界があるから、一目で全部把握できるわけでもないが、一見して何も無いのが分かる。

全て埃や砂がいっぱいあり、床の畳が腐りかけているのを除いて、全く何も無い部屋だった。家具すら一切なかった。

襖そのものに書かれている絵や、欄干部分の装飾などは、なかなか堂々として細工の美しいものであったが、家具の類が一切無い。

径真も始めの頃は、床や天井や畳などを詳しく観察していたものだったが、ほとんど何も無いので、もはや飽き始めていた。

唯一驚いたのも、襖を開けた瞬間にクモが落ちてきた時だけだった。


 成果が全然上がらない事を残念に思いながら、径真は仕方無いかと考えた。

だいたい、家の近くの空家に都合良く幽霊なんかがいるはずが無いのだ。そんなにお手軽に超常現象に出会えるはずがない。

そう考えると、一回の失敗程度なんて事が無い。そう自分に言い聞かせると、次々に襖を開けて行く。

 家の真ん中にある玄関から初めて、いくつかの部屋を経由し、10人ぐらいが作業できそうな台所、大人2人がゆったり入れる石造りの立派な風呂場、

おそらく豪華な絨毯でも敷いてあったであろう、広い居間らしき所。

音響機器を入れる作り付けの棚の残った書斎など見たがこれと言って変わった物は全くと言っていいほど見当たらなかった。

これならせめて、風にたなびく白いカーテンでもあった方がましである。この家なら、幽霊の書かれた掛け軸あたりだろうか。

借金で夜逃げしたわけではなく、きちんと引っ越しをしたらしく、物は一切残っていない。まあ、それが当たり前なのだが。

ともかく、家のほとんどの部分を見終わったあとに径真は一言漏らした。

「こんな豪華な家なら、ぜひ12年前に来たかったな」

 この家が家としてきちんと機能していた頃なら、さぞかし賑やかで、楽しかっただろう。料理も豪華そうだし、風呂も旅館並に立派なんて素晴らしすぎる。

きっと、家具についても一流の物が並んで居たのだろうし、今の径真の生活とは一味もふた味も違う生活が送れたんじゃないか。

そこまで、考えてふと、もしかしたらこの家に来た事があるかもしれない、と思い始めた。

さっき、2人にも話したがこの家には、子供が居たはずだ。そしてその子が事故に遭った後に引っ越ししている。

この家から一番近い同年代が居る家は、たぶん12年前でも径真の家だろうし、それなら遊びに来た事があってもおかしく無い。

 だけど。径真は眼を凝らして周りを見渡したが、頭にひらめく部分が無かった。

17歳にとっての12年前は、もう忘れているのも、仕方無いくらいに昔のことだけど。

「来た事あったかな?この家、もし来てたなら忘れない……と思うんだけどな」

といっても、自信は全然ない。子供の頃に考えていたことなんて、よく分からない。子供にとっては豪華な風呂より、ヒーローのフィギアの方が大事だったりするものだ。

案外豪華な家のことなんて覚えてないかもしれない。

とりあえず、まだ通っていない場所を歩きながら考える。

この家に来たとしたら、4歳か5歳か、その頃なら1人で来たという事は無いだろう。

母親に連れられてだろうか。もしそうなら、母親同士でお茶でもしている間に子供同士でどう遊んだだろうか、

その子の部屋だろうか?こんなにでかい家なんだから、5歳でも部屋が与えられていてもおかしくない。

部屋、部屋。遊んだ部屋。と考えていると、


屋根裏だ!


急にひらめいた、うろ覚えか、勘違いか分からないけれど径真の脳裏に階段の姿が浮かんだ。

平屋に見えて一部に屋根裏があって、そこを子供達の遊び場にしていた気がする。

いや、小説かアニメで見たのを自分の記憶のように勘違いしているだけかもしれないけど。

径真は、興奮しながら階段を捜した。そこに行けば子供の幽霊に会えると期待しているかのようだった。

「確か普通の部屋の一角に階段があって、たぶん端にある部屋だな。じゃないと階段が取り付けられないし」

何となくのカンにしたがって、どんどん部屋を踏み荒らしていく。さっきまで気にかけていなかった納戸や、

障子も開けてどこかに階段が無いかを探していく。

もはや肝試しはどこへやら、探検している気分である。


「おいおい有ったよ本当に」

それは、家の北側の一番小さな部屋の押し入れの中からつながっていた。

もともとは使用人用の居室だったのだろうか、このちっぽけな6畳ほどの部屋で足りなくなって屋根裏と繋げたのか、

それとも家長が使う部屋で何かあったときのために、屋根裏と繋げたのだろうか。

「どっかのネコ型ロボットじゃあるまいし、何もこんなところに作らなくてもね」

最初の捜索で見つから無かったはずだ。押入れの中でしかも目を凝らさないと分からないところにあるなんて、誰が想像するだろう。

そう思いながら、階段に手をかける。もし記憶通りなら久しぶりなはずだが、全然記憶は戻ってこない。

目の前の階段は階段というより梯子に近いんじゃないかと思うほど、急な傾斜で両手を使わないと登るのがキツイくらいだ。

径真は、ライトを口に咥えると、綺麗に掃除された木製の手すりを掴み階段を一気に登りきった。


 ひょっこり顔を出した先は、今まで見た部屋のどこよりも静かで、すこし冷えた空気をしていた。

一階はまだ窓や障子の隙間から外の月明かりが入って来ていたのだが、この屋根裏部屋は外からその存在が分からなかったように、

外の光を取り込む仕組みが殆ど無いようだ。ライトが無ければ目を開けても、閉じても同じになってしまうくらい光が無い。

 径真は、注意しながら屋根裏部屋へと足を踏み入れた。

屋根裏部屋と言ってもそのスペースは、殆ど6畳程度しか無い狭い空間だった。

天井も低く、男子高校生としては普通の身長の径真が立ち上がると、頭の上すれすれに天井が来た。頭を少し下げながら周りを見渡す。

 この部屋は他の部屋と少しだけ違った。家具らしきものがあるのだ、小さな箪笥が一つ。あまり多くの物は入らなそうだ。

何となく見覚えがあるような気がする。

 確か、この部屋に上がって遊んだような……そうだ、一緒に遊んでいた女の子がこの箪笥に服を閉まっていた気がする。

他に調べる物も無いので、箪笥に近寄ると何気なく一番上の段を開こうとすると。


「どろぼー!どこから入ったの?なんで人の部屋に入ってるのよ!」

突然場違いな声が響いた、同年代のそれも女の子の声だ。

「す、すみません。いや、まさか人が住んでるなんて思わなくて、すぐに出ていきますので」

径真は、突然の事にしどろもどろになりながら、箪笥から離れると声のする方に振り向いた。

そこには、可愛い女の子が立っていた。見たことが無い顔だが、おそらく高校生くらいで、

この部屋に合わせたように低身長だ。160は無いだろう。

どちらかと言うと幼い顔つきをした彼女は、子供のように大きくてくりくりした目で、髪を肩に届かないくらいに短く切りそろえ、ジーンズにTシャツという出で立ちで腰に手を当てて仁王立ちしている。

そして、彼女の体を透かして、彼女も上って来たであろう階段の手すりが見える。

 うん?

何かおかしい、そんな事は無いはずだ。

なにやら普通に人物描写をしただけでは、入らない単語が入っていた気がする。

「全く、いきなり女の子の部屋に入って洋服をあさろうとするなんて、変態ね。変態としか考えられないわ」

女の子は、自分の箪笥を守るためにか径真と箪笥の間に体をずいっと割り込ませた。

径真の視点からは、今度は女の子の体を通して箪笥が見える。

これは、まさか。

「ゆ、幽霊?」

径真はその言葉だけを吐くと、まるで魂を抜かれたように床にへたり込んだ。

だめだ、全身が震えてしまっている。

「ちょ、ちょっと大丈夫?」

慌てて女の子が、近寄って来る。床に座り込んだ俺に合わせて、俺の眼を見るように屈みこむ。ちょっと、それ逆効果だよ。

幽霊に心配されている。心配してくれているけど、この人は幽霊でこっちを心配そうに見ているその目も、良く見ると向こうが透けている。

 見えてしまった。

本物だ、半透明な人間なんているわけがない。これは!彼女は本当に幽霊なんだ。

「ありがとう!君に出会えて本当に嬉しい、最高だ!こんなに嬉しいことはない」

歓喜に打ち震えていた径真は、がばっと起き上がると、彼女の手を掴んでぶんぶんと振り回した。どうやら、握手のつもりがテンションが高すぎておかしくなっているみたいだ。

突然の行動に彼女は眼を白黒させている。

「いや、え、あの、ちょ?ちょっと待ってね」

「なんだ、触る事もできるのか。これは、凄い発見だな。さあ、俺と一緒に写真を撮ってくれ、今すぐにでも証拠が欲しいんだ。あ、大丈夫心配いらない。フラッシュがダメだというなら配慮しよう。

これは暗闇でも写真のとれる高性能カメラだから、あと現世への恨みとか未練があるなら後でばっちり聞かせてもらおう。

何、心配はいらない。何なら明日の朝が明けるまで、何時間でも付き合おう」

リュックからどこにしまってあったのか、ガサガサとカメラまで取り出して構え始める。

「ちょっと待って、何がなんなのだか分からないんだけど」

「何も分からない事なんて無いさ。いや、分からないことだらけだな。さあ、色々教えてくれ……え~となんと呼べばいいかな。幽霊さんでは、さすがに決まりが悪い気がするし、

何と呼べばいいのか教えてくれ。ちなみに俺は、一条径真と言う。漢数字の一に二条城の条、直径半径の径に真珠の真だ」

彼女の方は呆れたように、つぶやく。

「私は、金松奈良香よ。京都奈良の奈良に、香ると書いて奈良香。ちょっと落ち着いて話してくれない?」

「ふむ、それもそうだな、俺も予想外の事態に少し興奮しすぎているようだ。まさか、こんなにはっきりした幽霊に会えるとは」

「幽霊はやめて、呼ぶなら奈良香にして、何か不愉快」

「そうか?それもそうだな、なら俺のことも径真と呼んでくれ。しかし、本当に素晴らしい最高だ!」

奈良香と径真の物語は、大興奮する径真と目を白黒させる奈良香によって幕を開けたのであった。



「ごめん奈良香さん、だっけ?やっと落ち着いて来た」

興奮状態からようやく解き放たれた径真は、落ち着いて話だした。

床に座った径真に合わせる形で、奈良香も箪笥にもたれて座っている。どうやら、まだ箪笥を守ろうとはしているようだ。そこまでされると、逆に中身が気になるが。

「そう、良かったわ。あんまり興奮してたから、会話通じないかと思ってたけど、通じるようね。それじゃあさ、何でここに居るのか説明してくれない?」

径馬はキョトンとした顔をする。

なんだろう、普通は逆なんじゃ無いかって気がする。

普通なら幽霊の方が何でここに居るのか話したいんじゃないだろうか?

奈良香はいままでの反応が、あまりにも人間的すぎるというか、薄く透けている事を除いて全くの普通の人間に見える。

幽霊という奴は、思っていたよりも恐ろしい存在じゃなく、案外話せる奴なのかもしれない。

というか、ここまで普通の対応されると、見知らぬ女子高生の部屋に侵入したて、捕まった下着泥棒みたいな図に見えなくもない。

そんな事を考えながら、とりあえず径馬は奈良香の質問に答える。


「何でって言われると、普通に肝試しのためにだよ、です。幽霊である奈良香さんの感覚がどうなってるのか分からないけど、俺は高校生で今は夏休みで、

それで、暇だから夏休みのイベントとして、肝試しをしたいねって話になって、ここに来たんだ、です。あ、一緒に来た二人は今頃庭に居ると思います。

埃がひどくって入るの諦めてたから、家に入ったのは俺だけなんです」

「しゃべりにくいなら、敬語とかなしでいいわよ。さっきまでタメ口だったじゃない。私もそうするし、たぶん同年代だしね」

「そう?なら遠慮なく」

見た目が小さくて、年下にも見える奈良香に敬語を使うのに違和感を感じていたところだった径馬は正直ほっとする。

「それで簡単に言うと肝試しをしにこの家に来て、偶然この階段を見つけて登って来たってわけね」

「偶然っていうか、俺多分ここに来た事あるんだよ。小さい頃だったからうろ覚えだったんだけど。多分この家の子で、俺と同年代の女の子だったと思うんだけど、

一緒に遊んでいてここに来た事がある気がしたんだ。それで、確か屋根裏部屋があったなと思って探してたら、ここが見つかったってわけ。

正直、人っていうか幽霊だから人じゃないか?が居ると思わなかったんで、この家に珍しく家具が残ってるんだなーと思って、箪笥を開けてみようとしただけで、別に深い意味があったわけじゃない」

「そっかー、じゃあ、まあ下着泥棒扱いは無しにしといてあげる」

下着泥棒扱いされていたのか。

「それより、奈良香の事を聞かせてくれないか?」

「私?そうね。あまり私の事を話したくも無いんだけど、まあ、そのうち説明してあげるけど、今は帰った方がいいんじゃない?結構遅い時間みたいだし」

確かに、もう大分遅い時間だ。携帯の時計はもう11時を指している。幽霊にも時間の感覚ってあるのか?あるか、朝になったらやばいとかありそうだもんな。

「いや、遅い時間だけど。こんな事を放っておけないって言うか、このまま帰っても絶対に眠れない」

径真は、奈良香を真剣な顔で見つめた。径真としては今すぐにでも話を聞きたかった。しかし、その時、

「おーい、径真ー!遅いけど、どうしたんだ?大丈夫かー」

「径真、怪我したりして無い?返事してよー」

小さく、隼人の呼ぶ声が聞こえて来た。

「大丈夫!今行く」

「なんだ生きてたかーそろそろ帰ろうぜー。待ってるぞー」

隼人の呼びかけに急いで返事だけすると、奈良香に向き直って言った。

「ごめん、あんな事言った直後で何だけど、今日はもう帰るね。明日にでも来ていいかな?」

「うーん、まあいいよ。私はこの部屋に居るからね。ああ、そう言えば昼間でもいるから時間気にしないでいいよ。あんまり朝早いと寝てるかも知れないけど」

幽霊でも寝るんだな。

「了解、それじゃあ。また明日!」

「あ、そうだ。大事な事なんだけど。私のこと他の人には話さないで欲しい。貴方は知っちゃったから仕方無いけど、騒がれるのは嫌だし」

分かったよと告げると径真は、ここに残りたい気持ちを押さえつけて玄関を目指した。


「お待たせ!遅くなって悪かった」

「遅いよ径真。幽霊にとり殺されたかと思ったよ」

玄関を出ると二人が心配そうに待っていた。

絵美の言葉に片手を上げながら応える。一瞬奈良香の静止の言葉が頭をよぎったが、それとは別の感情からこのことはまだ秘密にしておきたいと思った。

自分だけの宝物というか、秘密の場所にしたい。そう思ったのだ。きちんと幽霊を自分で探ってから、盛大に披露したいだけかもしれない。

「それじゃあ、帰りますか」

隼人の掛け声のもとに、3人は門をくぐった。


径真の家までの道行、行きに通った道を逆に進みながら3人の会話は弾んでいた。

月の位置が変わっている事を除けば、時間が変わったことなんてわからない位、今の時間も暑い。

道の左側に立つ杉林から湿気を含んだ空気が流れ出て来る見たいだった。

「それで、中はどうだったの?ずいぶん長い間居たみたいだけど」

「ごめんごめん。意外と夢中になっちゃってさ、埃多くて結構きついんだけど、面白くってさ。探検してるみたいで、家具は全然無いけど。柱の装飾とか、すごく立派でさ、

風呂も石造りのすごく立派なのがあるの、襖とか細かい物は残ってて、それがその辺の旅館なんて目じゃ無いくらい豪華。まぁ、今はぼろくなってるんだけどね、12年前に来たかったよ」

「何か本来の目的と変わってるんじゃ無い、それ?」

絵美が呆れた調子で言う。

「はは、その感じだと径真も幽霊には会えなかったか?」

「まあ、残念ながらね。そう簡単には会えないよ」

残念そうな言葉を口にしながら径真は自然と顔がにやけてしまわないように注意した。

「私たちの方はね。ぐるっと庭を一周したんだけど、すごかったよ。池があるんだよこの家、なんて言うの日本庭園って感じ。雑草茂ってるんだけど、通路だけは石畳が敷いてあるから、

問題無く通れるし、本当に庭って言うか公園?って感じ。それから石灯篭っていうのかな、時代劇とかゲームでしか見たこと無いのが有ってさ。こんな家があるんだね」

「へえ、やっぱり家の中だけじゃ無くて庭も豪華なんだな。というか、それって、そっちも肝試しじゃ無くなってないか?」

「そういや、そうだな。いや、途中まではその女の子の幽霊ってのを探そうとしてたんだけどな。途中から、夜の公園に遊びに来たみたいになっちゃって、二人で鬼ごっこしてたわ」

「そうそう、小学生に戻ったみたいだったよ。さすがに隼人の足速いし、この服だから中々追いつけなくて、私がずっと鬼だったけど」

「鬼ごっこって、空家に忍び込んでやる遊びじゃ無いよな。それを見た、子供の幽霊が仲間に入りたくてやってきたとか?」

「あっ、そうか。幽霊子供だもんね。一緒に遊ぼうってやってきて、そのまま隼人にくっ付いて今も……」

そう言いながら。絵美が隼人の首筋に息を吹きかける。が、残念ながら身長が足りなかったみたいで、隼人は反応しなかった。絵美が憮然とした表情を浮かべる。

「お互い楽しかったので、なによりだけど。肝試しとしては、失敗だったかな」

「そうでも無いよ」

憮然とした顔から一転し、絵美がニヤっとした笑みを浮かべる。

「隼人が例の言葉30回は言ったからね。私は10回位、径真は何回か知ら無いけど、合計で5000円位にはなるから、それで遊びに行けるよ」

「お前っ、その怖いの中にはお前が俺を池に突き落とそうとした時の怖いも入ってるだろ。やけにつっかかると思ったらそれだったんだな」

「今頃気づいても遅いですよー。自然に怖いって言わせるために、私もわざと自分から言ったりしたんだからね。さぁ、あきらめて年貢を納めなさい」

「ふざけるな。ノーカウントだ。幽霊が怖いじゃ無いんだから」

「ぶーぶー。隼人男らしく無いよ」

二人の掛け合いは径真の家に到着するまで続いた。

予想通りだったけど最終結果としては、今度俺と絵美は隼人のお金で豪遊できる事に決まった。

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