第四章 バレンタイン
まーさーかーのバレンタイン。私は告白…?する事を天に誓ってしまった。しかし内心は…。
「…私でも…良いのかなぁ…。」
里奈の不安が胸を突き刺す。
「…きっと…弘は里奈が好きなんだよなぁ…。」
でも弘が好きになる女子のポイントは、すべて知っている。それは…。
”自分の事が好きという女子。”
これだ。そう、この通り。弘に、”こいつ弘の事好きだって”とか言うと、弘もそいつが好きになる。それで、里奈と私のどちらを選ぶって言ったら…。断然里奈だろうなぁ…。うん、間違いなく里奈だ。スポーツも出来て可愛いし、面白いし…。私とは正反対の性格。
そんな事言ってるうちに、バレンタイン。
放課後、直接チョコをあげるつもりだったけど…。委員会で居なくて…。私はこの日、ちょっとした用事があって、待ってられなかったし…。結局近くの男子に”これ…弘に渡して…!”と言うしか無かった。
翌日…。
渡してくれた男子が、”渡したよ!”と。弘は私と目を合わせてくれない。そして私が、「もらった?」と聞くと、”うん”と頷いてくれた。それも照れながら。そしたらね…。なんだか弘への感情が、ぐうううう!っと薄れた気がしたんだ。でも私は、「気のせいだよね…。私は弘を愛してる。」そして、帰りの会の名札で、誰にも見せない優しさで、里奈に名札を渡しても、全然心に傷が付かない。「まさか…ね…。」
そう、私は気づいていた。
”もう弘は愛していない”と。