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 序文 作品紹介

 「今回の泥覧試合は明日の零時からスタートす。今が二十三時四十三分すから、あと少しスね。

  開始後、二十四時間逃げ回っていただきます、こちらの三名の皆さんから」



 「根来が紀伊組頭領、一十一人居士がひとり、霞心居士(かしんこじ)


 「伊賀、隠衆(なばりしゅう)…ええっと…百地弾牙(ももちだんが)


 「甲賀、万衆(よろずしゅう)、中忍、猿飛重三(さるとびじゅうぞう)





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 【丸橋獣市郎】

 「さて、飛ぶとするかのゥ。儂のタケコプターで!」

 「なるほど。さっぱり判らん」


 【愛宕橋蝙也】

 「刀一本でなんとかするのが剣士だろう」

 「知ってるか? 霊長類は例外なく同族を殺す習性があるんだよ」


 【西郷流星】

 「でもね、山至示現流では、重い方が速いのよっ!」

 「振り下ろすより早くあたしを殺せるかもしれないし、殺せないかもしれない」


 【松崎仁】

 「…それならば、戦うとするか」

 「お前…本当にバカなのか?」


 【雑賀凶華】

 「ただ、あんたのことが嫌いってだけよ」

 「これで私はファイヤー・キョウカッ!」


 【伊藤幽鬼】

 「理由があろうとなかろうと…人を傷つけていい道理がないでしょうッ!」

 「あなたに…本当の幸せが訪れる日を祈っています」


 【飯篠土輔】

 「人生とは、カネや時間というポイントを消費し“不安”というクリーチャーから逃げ回るゲーム」

 「明日は長くなりそうだ、人生で一番長い日に」




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 互いに手の内は知り尽くし、体力もすり減らし、既に負荷は限界を超え、肉体は万全とは程遠い状態にまで追い詰められている、だからこそ決着時。



 火屯鉞刃ではなく、昔ながらの鉄を鍛造しただけの日本刀で、彼が振るう剣術は昔ながらの一刀流。

 流星がかつて見たものよりも完成された夢想剣、そして切り落とし…恐るべし、根来十一人衆。



 「…キレイ…」

 お客さんの誰かがそう呟いた。

 夢幻にして無限、さっきまでの大衆食堂からは変わってそこは鏡の国となり、あたしはその光景にサラダバーのお代わりも忘れて見惚れていた。



 「舞い散る人命、咲き誇るは刃の華。甲賀忍軍、鎌乃百合(かまのゆり)

 「繰り出す拳は無限・無間の大煉獄。六道に堕ちてゆけ。甲賀忍軍、望月六花(もちづきりっか)

 「下る天罰、下す随行者。甲賀忍軍、筧十重(かけいとえ)

 「人を穿てば穴二つ、呪いを祝え。甲賀忍軍、穴山小弧(あなやまここ)

 「伊賀から甲賀へ冴え渡る才気煥発。甲賀忍軍、霧隠才那(きりがくれさや)

 「海の底には墓標あり。甲賀忍軍、三好大海(みよしひろみ)

 「海の底には情愛あり。甲賀忍軍、三好空海(みよしくうかい)

 「爆発々々、必殺々々、稲妻重力大落下。甲賀忍軍、海野陸(うみのりく)

 「この乙女、肌を合わせば謡うその歌、四面楚歌。甲賀忍軍、根津心(ねずこころ)

 『甲賀忍軍精鋭、真田獣幽士、ここに登場ッ!』



 「コォオオオオ、ロォオオオオ、ナァアアアアアッッ!」

 「ここ、笑うところですよね…?」

 「…笑えないですよ」



 「これこそ、我らが悲願、地飛星計画のスタートなのですッ!」

 地飛星たるナタ、完全なる人間の完成。

 「不完全ゆえの人間とは思わないのか?」

 「不可能に挑戦するのも人間とは思いませぬか?」

 「正論だ。だからこそお前たちは俺に歯向かうというわけだ」



 「止まれ、止まらなければ撃つぞ」

 「建前はともかくさ、極道さんのお兄さん、あんたは撃ちたいの、撃ちたくないの?」

 「撃ちたいに決まっている、実弾が発砲できる機会なんて私たちの稼業でも多くないからな」

 「ナイスフィーリング。 あたしも実弾を発砲される機会なんて多くないのよ」



 鍵を握るのは弾丸に弾丸を当てた後だ。その弾丸がまだ空中にある内に次弾を撃つこと。

 こうすると、弾丸が浮かんでいる位置は、スペースインベーダーのトーチカのように互いの弾が通らない“安全地帯”となる。

 浮遊する弾丸に新たな弾丸を掠めさせて自分に有利な位置に動かしつつ、相手を銃撃する。これを二丁拳銃の十六発を撃ち終わるまでの三秒ほどの間に行う。

 弾丸によるチェス、空中の弾丸の動きも含めて刹那の間に考察し、相手の弾丸を受け止めつつ、相手に攻撃する。

 経験とセンス、推理と本能、その応酬。



 だが、驚愕したことだろう。躱したそのとき、目の前から獣市郎の巨体が消えたのだから。

 「そ~らーを自由にっ飛ばせてやりたいのォウっ♪」

 全裸のジャグラーと化した獣市郎の連続コンボ。

 止まらない、歩いたり呼吸するのと同じような要領で、技が繰り出され続け――。



 「勉強の時間だぜ。

  全てのウイルスはタンパク質から成り、そのタンパク質とはアミノ酸という酵素で構成されている…サプリメントなんかで取るヤツだ。

  俺は生まれ着いて、一般人より多い種類のアミノ酸を作り出せる…特異体質だ」

 誰かに聞いたものを繰り返しているような、取ってつけたような説明だった。



 「毛髪すらも兵隊とする…そう、彼こそは史上最古のクローン戦士、斉天大聖なのです」

 「面白いッ!」

 杉谷全銃坊は、甲賀のエンブレムである卍の刻まれた重火器を引き抜いた。

 「貴様が可算無限に増えていこうとも、私は非可算無限の彼方にまで殺戮を繰り返すのみよッ!」



 それは獰猛なまでに大きく、地球上ではありえない存在だった。

 しかし、宇宙の壮大で果てない歴史は、それを構成し、地球の静止軌道に押し運んでいた。

 「あれが…日本政府の隠れ金山的天然プルトニウム彗星…梁山泊かっ」

 新連載、空想科学忍法帖 泥覧試合編。

 8月1日、深夜2時から2時間おきに7話まで公開。

 8月2日からは毎日早朝5時更新、早起きして、学校や会社に行く前にチラっと読んでから一日の活力にしてくれよな!


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