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「エレア、頼まれていた人の国の本を幾つか集めたんだが、どのような本が良いのか分からず適当に買っておいたぞ」


 そうエレアに告げたのは魔王様の側近のイムだった。


 定期的に人の国に偵察に行ってはその度に人の国の者を珍しがってお土産に持って帰って来る。


 本人はお土産とは思ってはおらず、調査品と言い張っている。

 人の国の物が魔王城にまで届くのは稀な事だったので何を持って帰ってきてもエレアにとっては楽しみだ。


 今回は本を買ってきて欲しいと事前に頼んでいたのでイムが書店の本をかなりの購入してきたらしい。


 人の国には傭兵として潜り込んでいるイムはかなり大きな体をしている。

 本来の姿は頭に大きめの角が2本生えているのだが人の世界に紛れ込むときにはこの角を消している。

 浅黒い肌はそのままで赤い瞳は常に周囲の気配を探るような視線を向けているため一般人や商人として潜入することは出来ない雰囲気を出している。


 イム自身は魔族の中でも穏やかな性格だと周囲からも評されていて、確かに決して好戦的ではないが、戦う機会があれば勇猛な戦士として魔族でも一目を置かれている存在だった。


 サムル王国には魔属領への討伐隊が組まれたりで傭兵が必要なのではないか?というもっともらしい理由で潜入したのだが、前回大失敗に終わったサムル王国の討伐隊は正規の兵士や騎士のみで構成された部隊だった為に傭兵のような期間限定で雇い入れる者の募集はなかった。


 それを知らずにイムは傭兵としてサムル王国にやって来てしまい仕事にありつけなかったという事にして王都に入り込んでいたのだ。

 イムはライラ達一行が華々しく出立した時からサムル王国内に入り込み、仕事にあぶれた傭兵としてしばらくサムル王国の王都に滞在して王都内を隈なく調査して戻って来た。


 華々しく出立したライラ一行が身を潜めるように王都に戻って来た日も王都に潜入していたのでその様子を確認し、討伐隊が王都に戻るのに長くかからないであろうと予測し、ライラ達がどのように国民にこの討伐隊の結果を説明するのかまでを確認して戻って来たのだ。


 ライラ達は魔王の結界により魔属領に一歩も踏み入れることが出来ずに戻って来たにも関わらず、まるで魔王率いる魔族達と戦ってきたかのような結果報告を行ったらしい。


 その報告に王都で美味しく調理されている肉を食らう日々だったイムは喉に肉を詰めかける程に驚いてしまった。


 聖女ライラの力と拮抗するほど魔王の力が大きいと説明し、サムル王国の存続の多めには聖女ライラの力が必要であると力説していたのだ。


 魔族側からすればサムル王国からライラを追放してくれれば結界を解き、今まで通りに魔属領で採れる希少な動植物を人間に少しぐらいは分け与えてもいいと考えていたのだが。


 それほどの脅威の魔王がすぐ隣の魔族領にいるのは由々しき問題だ!すぐに何らかの対策をしなければならないと、大臣達も右往左往しだしたが、当のライラは王都の区画整備で強引に手に入れた土地建物の内装に力を入れているため忙しく、次の討伐隊の準備はまだ出来ていないということだった。


 エレアはイムの説明に思わずホッとしてしまった。

 しかし、王宮内で何を話し合われているか、かなり具体的な話が魔族の諜報員に漏れ出るという事は、今までも魔族がサムル王国のかなり内部まで知りえていたという事なのだろうか。

 未来にサムル王国の王妃となる身だったエレアからすれば王宮内で秘密裏にされていることまで漏れているという事を知り心配になる気持ちもあった。

 ゲームのストーリーによる強制力だと思いたいが、サムル王国にはまだ父母や兄弟達が暮らしていて何も知らない国民達はいつものように暮らしているのだ。

 本当に魔族との有事があるとすれば簡単に攻め落とされてしまうであろう。


 ここしばらくは魔族領の存在は周辺諸国にとって脅威ではなく、現在魔王と呼ばれている者がいるということは周知されているが脅威ではない事と、勇者と呼ばれる存在が不在の為に魔王討伐等という話も聞いていなかったが、サムル王国での闇堕ちの魔女エレアの件をきっかけに、近年にない大規模な討伐隊は周辺諸国の知る事となっているために、サムル王国が討伐を経て得た情報はたちまちのうちに情報共有されるであろう。

 声高々に魔王の脅威を伝えだしたサムルの様子に周辺諸国も魔王という存在を必要以上に脅威に感じ魔族領に対して過剰に対応し始めなければいいが。


 この大規模な討伐も全てライラの発言によるものだが、ライラは多くの者の命が自分の発言で危ぶまれることも何も気にならないのだろうか。


 「あの聖女ってやつは本当に聖女なのか?何というか俺達もそんなに多くの聖女を見たことがないが、聖女らしさが全くないそ。欲しいモノを全部奪い取ろうってするところが魔族に似てるんだが、魔族にもあんな強欲なの滅多にいないぞ」


 区画整備で国民から土地建物を取り上げたり、小麦粉の価格がおかしくなるほど買い上げてスイーツの研究をするなどやりたい放題なことをしているライラに聖女としての姿は見えないということだった。


 平民からも聖女は生まれるが、ライラの出自は子爵家の遠縁の平民という曖昧なものだった。


 ゲームの設定で王道の下克上スタイルで、平民から王族になるという流れの為に、ライラの出自は平民なのだろうとしか考えていなかったエレアだったが、あのライラがゲームを知っている者だとしたらゲームのシナリオ通りに動こうとするし、何でも叶うライラのほんわかスローライフの設定を知らない第三者から見ればそれは強欲と取られるような行いなのかもしれない。


 「あのライラが魔族領を諦めるとは思えないから私達は魔属領を護っていきましょうね」

 「ああ、それはもちろんだ。我が魔王が時を歪めてくれたんだからな、まぁ僅か2ヶ月程遡っただけだから大した影響はないが、魔族領につま先も入ることが出来なかったあいつ等には影響あったみたいだがな」


 魔王に近い者は2ヶ月程巻き戻された時間を知っている。

  

 魔族の領土を奪われないためには2ヶ月前に時を戻しさえすればいいと魔王が告げて力を使ったからだ。

 魔族の中でも時を僅かに戻された事に気付いていない者も多く、魔族の使う力を感知することの出来ない人の国の者達は何も知らずに巻き戻された時を同じように生きていた。

 あのライラですら時間を巻き戻された事に気付かずに前回と同じ流れを進もうとしていたのだ。


 巻き戻された時間に相当する時間はもう進み、ゲームの流れでは亡くなっているエレアは生きている。

 このシナリオにはない歪みがこの世界でどのように影響するかエレアにはわからないが、魔族の為にも全力で逃げ切るつもりだ。


 エレアはイムが買って来てくれた本を一冊手に取った。


 こちらの世界の本は贅沢品扱いとなり装丁が華美だったりで、一冊当たりの重さが結構ある物もあるので手荷物で持ち帰るには嵩張るのでマジックバックの中に放り込んで帰って来たと。

 上級の冒険者やそれなりに金銭に余裕のある人は持っているというバックをイムは持っている。


 書店の大きさにもよるだろうけれど、イムが選んだ書店の品ぞろえは多岐に渡っていたみたいで政治経済から始まり女性が大好きなロマンス系の本、それに絵本まで揃っている。


 「エレア、これは何だ?」


 人の世界の物は魔属領では珍しいので小さな魔王が楽しそうに見ている。

 

 今、魔王が手に取って眺めている絵本は主に色とりどりの挿絵があり子供の心を惹き付ける装丁になっていて、色鮮やかな物を好む習慣のない魔属領では珍しいのかもしれない。


 「あっ、懐かしい・・・葉っぱのアリーだわ」

 

 「葉っぱのアリー?」


 「私が子供の頃に読んだことがある絵本なんです。アリーっていう名前の葉っぱが困っている昆虫や人を助けながら旅をするっていう話なんです」

 「ただの木の葉がか?」

 「人の世界は植物や動物が主人公として活躍する物語もあるんです。もちろん実際には植物や動物がそんな事はしませんが、子供の想像力を養ったり、楽しい話だったりするんですよ。この葉っぱのアリーは私も読んだことがあるんですが、『さぁアリー冒険の始まりだ!!きっと君にとって素敵な事が沢山あるから』って始まりで優しいアリーが大好きで何度も読んでたんです」


 古い話なのでエレアの父や母も読んだことのある絵本で子供向けの本としては貴族や裕福な家の子供であれば一度は読んだことがあるだろう。


 「人の国は外見の違いはあれど一種類の種族だけだなのだな、魔族は植物属性の魔族など生まれてから外で生きていけるまで成長するのに木の中で微睡んでいるのだが、このアリーは魔族なのか?」

 「葉っぱを擬人化してはいますので魔族とは表現されてませんが、その植物属性の魔族が優しければそうかもしれませんね」

 「植物属性は外見は魔族の特徴はない者だが他者に容赦がないから優しくはないな。じゃあその葉っぱのアリーを読んでくれ」

 小さな魔王様のリクエストに応えてエレアは魔王様の近くの椅子に座り絵本を朗読する。

 「アリーが寂しくないように川の流れに身を任せている時には蛍達が川を照らしてくれました。大丈夫だよアリー 大丈夫だからねアリーと口々に声をかけてくれ、アリーは独りぼっちでも寂しくありませんでした」



 本を朗読しながらエレアはふと自分の境遇を思い返した。

 悪い事ばかりしていると魔族に食べられてしまうんだと幼い頃に乳母から教えられていたが実際の魔族はそんなことはない。

 魔族は人とは異なる種族だからこそ共通の敵として人が忌み嫌う対象としているのだろう。

 魔族領の中で人間のエレアは1人だが不思議とちっとも寂しくないのは魔王が養い子としてエレアを護り、他の魔族もそれに倣いエレアがここで住まう事を認めてくれている。

 安全だと言われていた自分の生まれた地よりも、未知なる地である魔族の土地のほうが自分にとって住みやすい。


 魔属領での生活はサムル王国にいた頃よりも穏やかだし、この暮らしがずっと続けばいいと願っているが、エレアの持つ聖魔力や魅力的な資源の宝庫である魔属領をライラが諦めるとは到底思えない。

 魔属領の結界は今のライラでは破ることは出来ないが、サムル王国とは違う別のルートから侵入すれば魔属領に入ることは可能だし王太子ルートをすでに選んだライラが王都でスイーツ店を開くのであれば魔属領を奪うために魔王退治を行うだろう。


 ゲームでは闇堕ちの魔女エレアを倒して聖魔力を最大値まで上げた後、サムル王国の王太子は勇者を名乗り、ライラは大聖女と教会から認められ二人の事が近隣諸国に知れ渡り、他国へとクエストを行いに行けるのだ。

 クエストと言っても欲しい食材を求めてその国の森や海に行ったりするだけなのだが、あの大聖女が来るということでそれぞれに大聖女に困りごとを依頼して、聖魔力を駆使して依頼をこなしていくという流れになる。

 

 魔族領には入れないライラの今だと王宮の中庭で畑を耕して王太子妃となりゆくゆくは王妃となるが、サムル王国ルートはスイーツ店をサムル王国で展開した後に各国に支店を出していく計画が王道ルートだったりする。

 今、王都でスイーツ店の開店に合わせて店舗で使う大量の魔石が必要になってくるので、魔属領攻略は諦めないはず。

 魔族領でなくとも魔鉱石が採れる鉱山はあるが、魔族領にある山の方が品質の良い魔鉱石がザクザクとれるし、その辺から飛び出して来る魔物を倒せば魔石が採れるのだ。


 エレアは絵本の読み聞かせに気持ちを戻した。


 「アリーは兄姉達と別れてどんどん遠くに行ってしまいます。会えなくなることが寂しくて、涙を流しながらもう見えなくなった兄姉の木が立つの場所が幸福であることを願いました。さて前を向き直したアリーは驚きました。そこに見たことのない世界が広がっているのです。森の中を吹く風とは違い強い力でどんどん遠くに運ばれて行きます」


 「アリーはどうして兄姉と離れるんだ? 仲間と一緒に楽しく暮らせるならいいのではないのか?」


 魔王様への絵本の読み聞かせを横で聞いていたイムが不思議そうに訊ねてきた。

 子供の頃に読んだ絵本だし、冒険の旅へのワクワクする気持ちでしかこの本を読んでいなかったが確かに同じ種族の者が集まっている場所のほうが安全に暮らしていける。

 人が人の国に集まって暮らすように魔族もまた魔族領で暮らしているが、エレアが実際に魔族の国に住んでみると集まる理由が人の国とは少し違うと感じていた。


 魔族の場合は体内に魔素を栄養素として吸収しやすい魔属領のほうが暮らしやすいのと、忌み嫌われる人の国でわざわざ暮らしていく煩わしさしさがあるのであまり魔属領から出る事がないのだ。

 人の場合には身分制度を作り、その身分制度の中で大半の者が生涯を終える流れが出来ていて、それを不服と思わずに当たり前のように受け入れて暮らしている。

 多少豊かになれば喜び、飢饉などで飢えれば嘆くがその環境を離れる者は稀と聞いている。

 エレアのような貴族階級もまた当主が失脚すれば全てを失うが、失った後に与えられた場所で生きる事を自然と受け入れている。


 前世を思い出した今はライラの幸せのために自分という存在が踏みにじられてゆく事などは考えられない事だが。

 

 「うーん・・・葉っぱのアリーは兄姉と仲が良かったところから始まりますが、人の国は仲の悪い家族も沢山いて、私のように必要がないって追い出される場合もあります。例えれば与えられた環境の中で暮らすような生き方なのでしょうかね?群れの中で別の考え方や群れを形成する上でもう必要がないとみなされたら追い出される事になるのです。 でも人の中には極稀に群れの中から自ら離れてしまう者もいます。その群れの中以外に生きる夢や希望があると信じてそうさせるのでしょうか?余所の国に単身で向かったり、全く別の生き方をしたり。別の場所に幸せが見つかる場合もあるのでアリーも夢や希望を外の世界に持っている異質な存在だったのかもしれませんね」


 「魔族は人の国のように生まれた地位のみで能力のない者が高い地位に就けるようなわけはないからな。人の国は群れをまとめる能力で何とかなるのだろうが、魔族は強い者に惹かれて集うのが当然だし、魔族として生まれた時からの習性だから考え方はまったく違うのだろう。サムル王国に潜入して国王とやらも討伐隊のパレードで出て来ていたが、国王自体の戦闘能力値はその辺の農夫よりも低かったな」


 「王様のいる国は代々が王族って血筋だけですしね・・・その分周りに優秀な者を側に置いて補佐させて国を動かすんです。王太子も王族の中では優秀と言われていたんですよ・・・あれでも」


 エレアと婚約した当時の10歳だった王太子は与えれれた事に関してはそつなくこなすことが出来ていた。

 どれも秀でているわけではないが出来ないわけではないので、あとは補佐に優秀な者達を付ければ次の代の存続には問題のない人物として見られていた。

 素行不良過ぎる者や、あまりにも不出来な者は国の顔として他国に出せるわけもないので、不治の病に罹ってしまったことになったり公の場に出なくなることもあるが、現王太子は見た目も良く素行にも問題は見られなかった。


 ライラと出会うまではの話だったが。


 今の王太子の評判はじりじりと下がり続けているので、次代のサムル王国の王として評価を挽回できる機会を得なければ国民からの不満がこのまま募っていくだろう。

 魔族領討伐で何の成果も得られず国庫の金を湯水のごとく使った王太子と、今の所何の成果も上げていない婚約者の評判は次期大聖女だと言われていても国民からしては腹立たしいのだろう。



 「今は2度目の討伐隊の派遣って話は流石に無理だろうけれど、いずれ魔石欲しさに魔属領に攻め入るはずだし気を付けてね」


 「それについては俺達がいるからまずは大丈夫だが、魔王様達はこの城から出ないようにだけしておいてください。下手にあいつ等の前に出る事になり、エレア様が亡き者になる事になったら魔王様はまた時を戻しかねませんし、今は魔王様以外の対抗馬がいませんからいいですが、次の魔王は誰がなるんだって魔族領が大変になるんですよ」


 自分の事を誤解していると思い、あちらと話し合いが出来るなんて思って彼らの前に現れて殺されてしまったので、今回は絶対に会わないと決めている。

 魔王もこんなに小さいお姿になっている事を知られてしまえば他の国も欲を出し、魔王討伐の絶好の機会だと押し寄せてくるかもしれない。

 人に知られたくない事情なので隠れているのが一番だろう。


 「丁度エレア様も揃ってましたね。探す手間が省けましたよ」

 そう言いながら魔王の側近のアレンが扉をすり抜けて入って来た。


 「おい!扉からは入れよ」

 驚いた様子のイムを無視して、やや空中に浮いている状態でアレンは魔王の前まで移動するといつものように抱き上げた。

 魔王とアレンは色あいが似ているので並ぶと親子に見えない事もない。


 「こんなに小さくなると視界になかなか入らないので魔力を追って探すしかないのですが、魔王様は最近仕事をしない事に慣れたみたいで我々に全てを任せるって逃げてるんですよ」

 側近は魔王を抱き上げて歩くのに慣れたのかいつものように片手に魔王をちょこんと乗せた。


 「イムの調査後の最新の情報ですよ。聖女が隣国へと向かうみたいでその準備を始めました」


 隣国はゲームの設定で隣国なのにいきなり寒い国で、フルーツ系のスイーツ店は作れない。

 アイス系のスイーツ店であれば作ることが出来るけれど、寒い国で寒いデザートが好まれる事はなく、隣国の王太子を攻略すれば氷の魔鉱石を大量に手に入れることが出来る。

 他国にアイスクリーム店を作る時にその氷の魔石を大量に使えるのだ。

 もし隣国の王太子を攻略しない場合だと、大量の氷の魔石を購入しサムル王国で使用することになる。

 購入するだけならわざわざライラが隣国を訪れる必要はないだろう。


 「いつ頃から隣国に接触しているのかしら?」

 「魔属領遠征失敗直後位ですね、あの国の王太子と共に勇ましく遠征に出かけたはいいが手ぶらで戻ったのが国民感情としては不満だったみたいですよ」


 隣国ルートに手を出すのなら王太子と恋に落ちかけた聖女ライラに病弱ブラコン妹姫が意地悪をして、雪まつりのイベントで氷系の魔獣を使ってライラを襲い、氷系魔獣と共に妹姫を倒せばライラの聖魔力が爆上がりするのだ。


 どうして病弱な妹姫が凶暴な氷の魔獣を従えて雪まつり会場を襲えれるのかっていう疑問はあったけれど、無理矢理にでもライラの聖魔力を上げるために作られた設定なんだろう。

 エレナの最期と似ているのはどちらもモブキャラだからだろう。


 (はぁ~きっとハーレムルートに替えたんだ)


 すぐに行動に移せるということはそれなりに先の事を知っているという事なので、恐らく聖女ライラの中にはエレアのようにゲームをしたことのある者が入っているのだと確信出来た。


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