■八時一五分
登場人物:ルディ、ユミリ、ベイト
学校内にある模型部部室。そこに一組の男女がいた。制服を着たルディとユミリである。
「キリは襲撃にあっているようだな」
ルディは腰に帯剣する。そして銃を手に持つ。
「剣なんて、いまどき使うん?」
ユミリは銃を準備しながらルディの剣に視線を落とす。
「キリは銃弾を蹴りで叩き落とされたと報告してきた。念のためだ」
ユミリは眉をしかめる。銃弾を蹴りで叩き落とすなんて話を聞いたことがなかったからだ。
「それは人間なん?」
「一二歳くらいの少女らしい」
ますます信じられなくなる。
「ティユイの保護を優先する。ユミリは俺の後方でサポートを。大丈夫だ。訓練通りにやればいい」
不安そうな表情を浮かべるユミリをルディがなだめる。
「行くぞ」
扉を開けると廊下から見張られているような視線のようなものを感じる。ルディは左右を確認しつつ、先へ進むことにする。
「どこへ行くの?」
「俺たちは裏門を目指す。キリには正門へ向かうよう指示してある」
角を曲がると妙な出で立ちの男が立って、ルディたちを見据えている。
無造作に伸びた銀色に黒いメッシュの入った髪。
服装は薄汚れて、裾がボロボロになったマントを纏っている。
左目は大きな眼帯。右目から覗く眼光は鋭く、決して相手に考えを読ませようとしない隙のなさを窺える。
「何者か?」とルディが訊ねる。
「コガイ・ベイト。ヨリミズ・ケイカと同じくセイオームのまわし者だ」
「律儀やねぇ。自己紹介なんて」
ユミリは感心したようだった。
「俺はゴーレム使いだ」
ベイトが床に手を添えるとコンクリートを身に纏った人型が二体這いでてくる。
「見るからに厄介そうだ」
ルディは自身の剣に一瞬だけ目を落とす。おそらく自分の持ち武器を見て対抗できるかを測ったのだろう。
「最優先はティユイの保護。裏門を目指す」
つまりここからは一旦退却するということであった。ユミリは先に背を向けて走りだす。ルディは銃口を向けつつ、ある程度距離をとるとユミリの後を追う。
ユミリは追いついてきたルディに訊ねる。
「銃弾は効かへんの?」
「跳弾する可能性があった。銃弾の内容を変えた方がいい」
「だから時間稼ぎなんやね」
「そうだ。空圧弾を使う」
ユミリは頷くと二人は銃のバレル部分を触れる。これで銃弾の切り替えを行っているのだ。
「こんな場所で使っても大丈夫なん?」
「よくはないが、それを言うなら連中も大概だろう。こちらも相応の武器で対抗する必要がある」
コンクリートのゴーレムは大した身体能力のようで、こちらと徐々に距離を詰めつつある。それに対してルディはトリガーを引く。
するとゴーレムの胸元にぽっかりと穴が空き、上体からガラガラと崩壊していく。どうやら空圧弾とは見えない弾丸のようだ。だが、ベイトは気にした様子はなく追いかけてくる。
どうやら壊されるのは前提となっているようだ。
「ユミリ、当初の予定通りグラウンドに蒼天龍が降り立つよう手配をしてくれ」
「了解。いま、申請完了したよ。発進はすぐにでも行けるって」
「ならば、敵勢力は排除しつつグラウンドまで行くぞ」
一話についてはほぼ書き直しになりました。よかったら読んでみてください。
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