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呪い屋本舗2 (ガーディアンズ・オブ・スピリット)  作者: ぽしょなれ


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93.魔道具屋さん

使節団をオキナ王国の担当者に引き継ぎ、メディを店に送り届けた。

さて、投資先は、魔道具店にしようかな、今後は電動機器も使われるだろうが、まだ充電設備の技術が存在しないので、魔道具もまだまだ活躍の場があるだろう。

魔道具と言えば、魔人国だよね。

と、魔人国までひとっ飛びした。


まずは、商業ギルドで店を探そう。

領主邸からさほど遠くないところに空き工房があった。街の中心から余り離れていないし、立地も良さそうだった。問題点と言えば高級住宅地に近いので騒音問題ぐらいだ。それも防音設備を完璧にすれば問題ないだろう。決めた、工房を購入した。

さて、次は人探しだな、とりあえず商業ギルドと魔道具ギルドに求人を依頼してみた。

俺の他の事業がうまくいった事であぶれている職人が増えたそうだ。ごめんなさい。

何人か応募者があったようなので面接をする事になった。一人づつだと、あとであの人がって思っても戻れないので、まず数人単位で一時面接を行い、問題の有りそうな人物を落とした。

俺の鑑定力が上がったので、結構見ただけでわかる

鑑定で「横領にかかわった」とか、見えてしまうと雇えないな。

で、ベテラン職人と若手それぞれ5人に絞って2次面接を行った。


ーーーー

「まずは、求人に応じてくれたことに感謝する。ありがとう

 さて、私は一応この国の国王及び帝国の辺境伯を賜っているローリン商会会長、冒険者のロイという。よろしく。」

肩書長いな、俺。

「求人の概要は、応募要領にあったと思うが改めて説明する。

 魔道具工房の立ち上げだ、ここで作られたものは、工房、及びローリン商会で販売される。従って他の商会の干渉を受けない。現在働いている職場からもな。その代わり責任は重大だ。この重圧に耐えられる者にしか任せられない。」

「今回は、熟練職人と若手職人それぞれから1名採用しようと思う、ただし、有用だと思われれば採用人数は関係ない。もちろん適任者が皆無であれば全員不採用、再募集となる」

面接会場の応募者を見渡して、確認を取る

「ここまでは問題ないな?」

「待ってくれ」

ベテラン職人の一人が手を上げた。

「なんだ?」

「そこにいる若造に何が出来る、ベテラン職人を多く採用すべきだ」

「採用人数には制限はないから気にしなくて良いだろう、それに若手が居なければ新しい発想も湧きにくいだろ」

「新しいものがなんだ、昔からのものは良いものばかりだ、必要ない」

「技術って何か知ってるか? 新しいものを生み出す力の事をいう。

 あるものを懇切丁寧に最高の製品に仕上げる事が出来るのは技能だ。

 一方若手は技能は明らかに不足している、でも発想と技能は別だ、

 新しいものに繋がらないのは技術と言わない。例を示そう」

俺は、ゴーレム馬車をアイテムボックスから出して見せた。しまったちょっと狭苦しくなった。

「これを見てどう思う?」

「すっ素晴らしい出来だ、これは凄い。馬がゴーレムで、御者はホムンクルスだっ」

「見ただけで分かるのは流石だな、これはお前に作れるか」

「残念だが無理だ、足下にも及ばない」

「そうか、ではこの馬車を改良してより良くは出来ないということだな。つまり次の世代がないということだ。従ってどんなに凄くてもこれは技術ではない。未来がない」

「なるほど」

「俺は、未来を担う若者を育てたいんだ、改造改善を繰り返して進化させ、時には全く異なる発想を持ち込む、そうして未来を切り開いていくのが技術だ。

 進化しなくては技術では無い。単なる高度な技能だ。

 技能が不要だと言っているのではない、当然高度な技能は必要不可欠だ。

 それから、職人には師弟関係があると思うが、弟子の義務はなんだ?」

「いっぱしの職人になること?」

「いやそれは通過点に過ぎない、正しくは、師匠を超える事が弟子の義務だ。

 師匠とは道標だ

 だから技能職人と、弟子たる若者の双方が必要なんだ」

「分かった」


「では、今度は電気という物について説明する。

 現在、地下世界という新しい発見がなされた。発見したのは俺だけどね。

 そこでは、電気という動力源が使われている。簡単に言うと雷の力をぐっと弱くして持続性をもたせた物だ。

 この力を利用して機能する様々な道具を作っている。魔道具で言う魔力に相当する部分だ。

 これは、金属の線に乗って運ぶことが出来る。そして、その線が引かれている所では、魔法が使えなくても魔石がなくても、常に使える事になる。魔力切れもない。

 いずれ、この地上世界でも普及していくことと思うが、現状ではこの線が引かれていないと使えないという欠点がある。逆に魔道具は場所を選ばないというメリットがある。

 それもいつかは、電気を蓄えて持ち歩く技術が確立すれば魔道具は使われなくなってくると考えている。

 まだまだ先のことだと思うけどな。

 だから、それを踏まえて、電気が普及しても直ぐに置き換えられる様な魔道具を開発していこうと考えている。そしてそこには新たな発想が必要になってくるということだ」


ふぅっ、スピーチは苦手だが、頑張った。

面接なので拍手は起きなかったが、皆頷いた。


そして、技能ベテラン2名と若手1名を採用した。

ベテランは、所謂魔道具のプロと鍛冶のプロ、若手は魔導学園首席卒業し実務経験数年の若きエリートって感じの人だ。

まあ、実際には店員が必要だが、その採用は彼らに任せる事にした。


まずは、試験的にメディの使う薬屋が使う便利な道具というテーマで開発させる事にした。

なので、メディをつれて来て、会議に参加させる。自分が使うものだから真剣だ。よしよし


魔道具の開発に際しては、次のことを配慮する事を指示した。

・フォールトトレランス(障害が発生しても機能を維持する)

・フォールトアボイダンス(そもそも障害が起こらないようにする)

・フェイルセーフ(障害が発生しても安全性を保つ)

・フールプルーフ(間違った操作をしても安全性が保たれる)

・フェイルオーバー(障害発生時に予備システムに切り替える)


とりあえず、ローリン商会の中で使う物を作り、売れるものは外部にも販売していこう。

頑張れみんな

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