92.使節団(4) メディさんの薬屋(3)
次の日、イャチ大陸に向けて出発しその日の遅くにイャチ帝国最南端の街に着いた。
ここでも一泊するが、通常の宿と通常の食事だ。
この街は10万人規模で、結構賑わっている。
メディと共に薬草類市場を見て回る。
近くで取れる物は傭兵ギルドに採取依頼などを出して入手するが、市場では内地で栽培されたものなどが大量に販売されている。
メディは一つ一つ吟味しながら選んでいく。まだ両替システムが無いので、俺が建て替えることにしている。薬草を大量に買い込みホクホク顔である。これで暫く入荷がなくても保つそうだ、良かった。
購入したものは俺のアイテムボックスに放り込む。らくらく買い出しツアーだな。
ついでに薬屋によってみる。どの様な商品が売られているのか気になるらしい。
おれもあまり街には出ないので見るものに新鮮味がある。道具屋で電化製品を見てまわるっていると、メディが止まった。
「これ、欲しい」
粉砕機である。矢研でゴーリゴーリしなくても電動でヴィ〜ンとやるやつだ。
「電気がないと動かないぞ、まあそのうち使えるようにはなるだろうが」
「今買わないとその時使えない」
「まっそうだけど、買うか、今でも使える様にしてやろう」
動力を電気ではなく、空中魔素を使用する方式で改造してやるか。
他にも撹拌機とか頼まれてしまった。
「夢の工具ですぅーー」
「そろそろ使節団が出発するらしいので、戻るぞ」
「もっといたいですが、帰ってやってみたい事がたくさんできました」
「良かった色々触発されたみたいだな、連れてきた甲斐がある」
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使節団にはフラウが含まれていた。
さて、使節団を地上世界に送って、メディと荷物を店まで送るかな。
次は何に投資しようかな、金を使わないとギルドに怒られる。
鉄道に投資したってことにしようか、でもお金使っていないな。
自分ではなく、お金を使って誰かを働かさなければいけないんだよね。




