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呪い屋本舗2 (ガーディアンズ・オブ・スピリット)  作者: ぽしょなれ


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93/96

91.使節団(3) メディさんの薬屋(2)

使節団が地下世界から訪問する事になった。俺達は送り迎えをするので、今回はメディさんを誘って同行した。地下で使節団の出発が出来る迄の期間なので短めではあるが。

まず、地下鉄道に乗ってもらった。

「なんですかー、これはー、速いー」

「それぐらいで驚いていては駄目だな、ここからだよ」

「止まった」

「ここで途中下車して、洞窟を見に行くぞ、1時間後に出発だから遅れないように」

「ぴったりついていくので大丈夫です」

少し歩いて、巨大水晶結晶の洞窟に着いた。

ここでカウントダウン

「10、9、8、7、6、5、4」

「なんのカウントダウンですかぁ〜」

「3、2、1、0」

ぱっとライトアップされる、水晶結晶が浮き立つ。

「うわーー、なんとぉーー、素晴らしいーーー、なんですかぁーーこれはーー」

メディの反応は面白いな。

「綺麗だろっ」

「アクセサリーにしたいっ〜〜」

いや、自然のままが良いだろ

「素材がぁ〜」

薬になるのか?

とにかく暫く、眺めていた。いくら見ても飽きない様だが、出発の時間である。急いで電車に戻る。

「素敵な空間です、連れてきてくれてありがとうーー」

いちいち語尾が伸びるなぁ。

でも反応が新鮮で気持ち良いな。

「次も凄いぞ」

「まだあるんですかぁ〜」

そこから2時間ほどで海底ドーム駅に着いた。

「今日はここのホテルで宿泊だ。

 7時にレストランを予約しているから来てくれ。

 別にドレスコードは無いから普段着で構わない

 それまでは部屋でくつろいでくれ」

フロントに行って鍵を取ってくる。

「じゃあ後でな、部屋から窓の外の景色を楽しんでくれ。

 俺は説明できないからな」

「よっ夜は一人で良いんですよね」

「何言ってる、オーナーと店長の関係だぞ」

「そっそうですよね。わかってます。はい、大丈夫です」

何が大丈夫かわからないがそこで分かれた。


ーーーーーメディ視点

なんと素晴らしい景色

海底の世界なんて当然見たことは無い。

魚や貝、甲殻類が見られる。

ぼーと見とれていると、もうディナーの時間だ。

ドレスコード無いって言ったけど本当かなぁ?

ちょっとおめかししていこう。


「オーナー、待ったぁ?」

「おっ、綺麗だね、白いドレスに海底の青が映えるよ」

正解だった、白いドレス

3階の個室だ、行こう。

個室と言っても360度ドーム全体が見渡せる最上階に一室しか無い。圧巻だ。

「特別室だ、凄いだろ

 このドームはね、海の妖精に作ってもらったんだ」

「妖精って居るんですかぁ?」

「もちろん居るさ、精霊もね、自然は彼らが守っている。

 そして俺達は精霊を守っている」


「なんですかぁー、めっちゃ美味しい。海の幸料理ってこんなに美味しいのーー」

「エビフライ、マーグロのカルパッチョ、魚介類のパスタ、ターコのトマト煮込、湯でカーニ だ」

「いけない、太っちゃう、ドレスがキツイ」

「ゆっくり味わって食べるといい」

「もぐもぐ、美味しい、もぐもぐ、」

「イャチ大陸に行ったら、こんなの食べられないからな、今のうちに味わっておくといい」

「ここだけなんですね」

「そう、特別な空間に特別な食べ物、レジャー施設だからね、非日常を味わう場所だ

 まだ気軽に来れるところじゃないけど、そのうち安く来れる様になるだろうな」

「えっと、いくらぐらいかかるんですか?」

「このホテルで、この個室レストランだと、100万ゼニぐらいかな?」

「ぐぇっ〜えっーーーー

 また来ようと思ったけど、ちょっとむりですぅ」

「安価なプランもあるさ。価格自体がステータスな場所だからな」


「お客様、そろそろお時間が」

「おっとすまん、無理言って隙間の時間に押し込んでもらったからな。」

レストランの入口近くで知った顔に合う

「おーロイ殿かご無沙汰じゃな」

なんだナキオ王国の国王かぁ?だったかな

「これはこれはどうも」

「お主も食事か」

「はい、部屋に戻るところです」

「後でラウンジに来ないか?

 その女性も..ぎゃ」

王妃につねられた様だ。

「では9時ごろ」


ーーーーー

メディは部屋に帰ってもらった。明日の出発まで自由時間とした。

ドラゴンビジョンを貸してあげたのでより楽しめるだろう。

さて、部屋で一休みしてからラウンジへ行こう。

ーーーーー

「あなた、ロイ様に失礼の無い様にね、初対面でお馬鹿な対応したらしいじゃないの」

「そうだったかな」

「あなたでは相手にしてもらえない、私が話しますからね」

ーーーーー

ラウンジにやってきた、ナキオ王国国王と王妃様だ。

「こんなところでお会いするとは、奇遇ですね」

「私、王妃のアイリスと申します

 娘のローズとフラウがお世話になっています」

「えっ?家族だったんですか? という事は彼女たちは王女様って事?」

「そうなりますね」

知らなかった。第3王女はあれだったが、姉妹だったのか。あっ母親は違う、なるほど。

「ルウア帝国の辺境伯の代官を押し付けてしまいました。申し訳ない」

「いいんですよ、領地運営の勉強になりますし良い経験ですわ」

「そう行っていただけると助かります、俺も経験が少なくて」

「何を言ってらっしゃるんですか、地上でも辺境伯を賜っているとか」

「はい、亜人国を纏めているだけですので」

「辺境伯は辺境伯です、ご謙遜なさらずに」

「恐縮です」

「それに、この施設を作って、黒龍便の開設に力添えまでしていただいて感謝ですわ

 ここから2つの世界の交流が始まるという歴史的瞬間に立ち会えるのを楽しみにしてまいりました」

俺も頑張ったからね。

「使節団にフラウを推薦するなんて恩着せがましく言ってしまって恥ずかしいです」

ほんと恥ずかしい

「ほんとふたりとも末の娘で、今まで世間に目を向ける事なんて無かったので、嬉しいですわ」

良かったみたいだ

王様は黙っている。そうあんたは何も言わない方が良いと思う。



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