90.使節団(2) メディさんの薬屋(1)
当面、両世界の行き来は俺達が受け持った。ずっとやって欲しそうだったが断った。
送り迎え料金をとんでもなく高価にしておいたから大丈夫だ。誰も利用しないだろう。
今のところ独占なので問題ない。黒龍便が開通になったら商業ギルド管轄になるので俺の手からは離れる。
俺は開設者特典で自由に出入りできることになった。当然地下鉄も自由に使える。使わないけど。
地下鉄はメンテナンスもあるので丸投げは出来ず、一応鉄道会社のオーナー兼、役員って事になっている。
まあ、亜人国間の地下道も電車化出来る様に考えて作ってあったので、順次入れ替えていこう。
地下世界は、「海底ランド」、地上世界には「ドラゴンランド」テーマパーク王になれそうだ。
ドラゴンランドでは、ブラックドラゴンと黒龍の出演も可能になった。
商業ギルドで口座残高確認してみたら、桁がすごい事になっていた。管理できる桁をオーバーしたので
口座数を増やされていた。そうか、投資してないからな、労働力も機材も全て自前だから経費0。原料費と人件費と税金を除いて全て儲けだ。利益率約50%。またギルドからお叱りを受けそうだ。
ところで、薬屋はどうなったかな、オーナーとしては確認しないのはまずそうだ。行ってみよう。
メディは元気にやっているかな。店の名前ってなんだっけ?
「メディさんの薬屋」だっけ? オーナーが店名知らないのはまずいよね。
店に行ってみるとそこそこ繁盛していそうだった、良かった。
あっ、メディに見つかった。逃げ...
腕を掴まれてしまった。
「オーーナーー。やっと来てくれましたね、ね、ね、連絡はなんでないの、ねぇ、ねぇ」
「ちょっと別の世界に行っていたり、鉄道走らせてたりしてたので」
「すごく儲かっています。あのエリクサーが客を呼び寄せるんです。一目見たいという客でも何か買ってくれるので、凄い利益です」
「そうか、良かったな、これで自分の店に出来るだろう」
「いいえ。儲けで自分の店は別に買いました。私はここの店長がしたいのです。」
「えっ、儲かったのなら自分の店にすれば良いのに」
「いーえ、オーナーとの繋がりが利益を生むのです、ずっと雇ってください」
「まぁ、それでいいならいいけど」
自分の店を持っているのに自分は店員さん?
「なにか困った事は無いか?」
「薬草が不足気味なんです。」
「どんな薬草?」
「全般的ですね」
「そう言えば地下世界では薬草が豊富だったな
原因とか分かるか?」
「需要が増えたみたいなんですよね」
ひょっとして魔人国での俺の事業が影響しているのか
「こんど、地下世界いった時に仕入れてくるよ、リストアップしといてくれ」
「ありがとうございます。でー、地下世界ってなんでしょう?」
南極ダンジョンでの発見で地下世界が存在する事が判明して、交易が行われる事になりそうだと、かいつまんで説明した。
「行ってみたいです。薬草ランドなんですよね」
薬草ランドは無いが、まあ店は他の店員に任せられるそうなので、次の機会に連れて行ってやっても良いかな。
「次の予定は決まって居ないけど、俺と一緒なら自由に行き来できるから連れて行くよ、何時でも行ける準備だけしといて」
「行きますぅ、行きますぅ、ぜーたいに行くのでよろしく、よろしくーーー」
なんか、こんなうるさいタイプだったかな。
まあ、専門家が一緒だと心強いから彼女に同行をお願いしよう。




