89.使節団(1)
北極ダンジョン穴が使えないという報告をした。残念がられたけど仕方がない。
使えないようにしたのは俺だが嘘ではない。使えない。
南極ダンジョンのみを利用した計画に変更することになった。
出来るだけ陸路を通る様に、
ルウア帝国帝都ーー北極ーーイャチ帝国帝都ーーナキオ王国ー(黒龍便、南極ダンジョン)ーオキナ王国
の1路線のみとなった。ルウア帝国からは少し遠回りだが、海路で行くよりは安定して通商が行える。
ルウア帝国帝都ーー(海路)ーーナキオ王国ー(黒龍便、南極ダンジョン)ーオキナ王国
の経路でも良いが、地下鉄は使わない。
使節団の派遣する前に、我々は使者を連れて一度地上世界に行くことにした。
黒龍便の準備(籠)はまだ出来ていないので、母船に乗ってもらう事になる。
使者はナキオ王国の外交官のタスクという人物だった。
さすが外交官、言葉の違いを直ぐに理解して完璧に使いこなせた。
とりあえず、ナキオ王国とオキナ王国の国交を開いてもらい、2つの世界の交易を進めていこう。
そういえば、オキナ王国には挨拶してこなかったな。いきなりですみません状態だな。いつもか。
まずは、地上世界に龍脈発電を普及する技術提携と、代わりに豊富な食料を地下世界に供給する。
通貨が異なるから、為替とか、ギルド間の提携とか色々と決めていかないといけないな。決めるのは俺ではないけど。
あっ! また地上世界でも海底トンネル作らないといけないのかぁ。
ーーーーー 元主神
「おう、あれは駄目だろう」
「邪神よ、誰しも間違いはある」
「世に奇跡と呼ばれているバグはたくさんあるけど、あの間違いは許容範囲を超えている。
時間を超越してしまうではないか。 楽しかったけど」
「だが、もうどうしようもない。それにしても現主神がとんでもない力を持ってしまったな」
「幸い、今まで誰も試さなかったし、封印してくれたから良かったけど、鳥とかは行き来してるだろうな」
「クロノスには黙っておこう。叱られるからな」
「そうだな、黙っておこう」




