80.オキナ大陸(16) オキナダンジョン(15) 黒龍の里(2)
少々荒っぽい手段を取ってしまったが、舐められたら仕方ない。非は向こうにある。
俺はなんとか、従魔契約を断り無事に名付け地獄から逃れることが出来た。
黒龍たちには、人里への不干渉を説明に行かせた。今までのお詫びに、お宝?なんかキラキラしたものを集める習性があったみたいで、それを持っていかせる。
まあ、人側から攻撃があったら応戦しても良いけどね。
ここで人族には会わないで帰ろう、功績の押し売りは嫌だしね。逆に恨みを買うかもしれないし。良かれと思ってしたことが大きなお世話だと思われることって結構あるんだよね。
あっしまった、ローズが全て見ていたんだった。
「えっ?全て報告しましたよ、禁止されてなかったですし
携帯用の電信機持って来ていますから逐次報告してますわ」
忘れてた。手遅れだった。
「もう地上に帰ろうかな」
「いえ、感謝の宴の準備が進められています。戻ったら参加してもらわないと困ります。ルウア帝国からも参加者が居ますし。イャチ帝国帝都でしばらく滞在をお願いします。
ホワイトドラゴンとブラックドラゴンと友誼を結び、黒龍を従えた方を何も饗さずに返すわけにはいかないですわ。」
「あっそう」
逃げられないみたいだ。
地下世界には通信技術があるのを失念していた。
皆の助けになったのに、私を助けてくれる者は居ないのか?
救世主は現れなかった、どうやら俺が救世主らしい。
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宴は催された。
いっぱいお偉いさんを紹介されたが、一人も覚えられなかった。
地上に戻るという発想は内容だったが交流出来る機会があればしたいそうだ。お互いの技術の良いところを出し合えば、双方発展していけそうだ。今のところ地下世界に来るには、北極か南極のダンジョンからしか入れないので、物の流通には少し難があるが、文化・技術の交流は出来るだろう。
巨大隕石が降ってきたら、地下世界に逃げるとか出来る様になるかもしれない。
まず空を飛ぶ技術を広めないといけないな。オキナ王国からナキオ王国へのシャトル便が要るな。
いや、そもそも地上世界に地下世界の存在自体を告知しないと始まらないな。幸い有力者に結構顔が利くようになってきているし大丈夫だろう。




