61.チャイ大陸(51) 鳥人国再び(2)
龍人国での段取りを済ませ、鳥人国に向かう。
今度はまともに話を聞いてくれそうだ。スラッシュは頑張ってくれたみたいだ。
長は解任され、スラッシュが族長に就任した様だ
まずは、探索隊を結成して、高山の植物生息地図を作成することにした。
採取しすぎると絶えてしまうので、生息域全体像の把握は必要だ。
植物知識のあるものを抜擢し、探索を開始した。
一週間ほどで、情報は集まった。
茶の木は点在しているようだ。薬草の群生地もある。岩茸は岩のある所ならあるみたいだ。
薬草は、計画的に採取して、乾燥工場で極新鮮乾燥した後に魔人国に供給する。
茶の木は新芽を少しづつ採取し、緑茶を作る。蒸して揉捻して乾燥する。
当面は試作だ。その間にいくつかの茶の木を精霊の里に移植する。育成状況は精霊が見てくれるので安心だ。挿し木をして徐々に増やしていく。数年単位での準備が必要だが、徐々に増やしていけるだろう。
薬草も精霊の里で栽培が始まった。鳥人族なら街から精霊の里まで飛んで行けるので便利だ。
当面は計画的に採取したもので商売を始める。簡単には名産品は作れない。今は条件が揃っているというだけだ。
乾燥工場は俺が建設したし、人件費は他に産業もなくて余った人材だ。運搬はあの商人に任せればよいだろう。リスクは低いが、儲けられるようになるには時間がかかりそうだ。
茶の試作品が出来たら、イーストチャイで試飲会を開こう。
乾燥岩茸は、出荷した。直ぐに金が必要なので俺が運んであげた。
既に薬草の販売は魔人国と始まっていて、軌道に乗りつつある。
徐々にではあるが、改善に向かっていると思う。
「川魚とか取れる? 養殖しようか」
「はい、アユユとかは美味しいですね」
川藻を餌にすれば美味しく養殖できるかな、病気にならないように薬草も与えて。
『極川藻アユユ』ブランドで売り出そう。乾燥しないといけないな。
『極新鮮茶』『極新鮮川藻アユユ』『極新鮮乾燥岩茸』『極新鮮乾燥薬草』
まずはこのラインナップだな。
軌道に乗るまでは援助しよう。




