59.チャイ大陸(49) 魔人国(4)
なんか、初代魔人国国王に祭り上げられてしまった。
肩書が長くなって大変だ。
これだけ産業が発展していたら、ローリン商会の出店も慎重にやらないとな。既存商店を潰さないで更に街を発展するような事業を考えないといけないな。
ここは人族の居住域から遠いからなかなか観光客とかは取り込めないな。
それに、精霊ともうまく共存できているので変に変えたくない。
そうすると輸出品目の開発が良いかもしれない。
そうなると、魔法薬関係が良さそうだな。
魔法薬ギルドに行ってみよう。
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「お邪魔します、冒険者のロイといいます」
「当ギルドは初めてでしょうか?ご依頼でしょうか?」
「あっ、しまったギルド員じゃなかった」
「登録でしょうか?」
「そうか、登録から必要なのか」
「主、私が代わりましょうか。私はギルド員です」
「おー、ライブラありがとう、お願い」
「あっライブラ様ですか、いらっしゃいませ
本日はどの様なご要件で?」
「魔法薬の新たな産業の話をしたい、このローリン商会のロイ様と」
「ギルドマスターを呼んできます、応接室でお待ち下さい」
そうか、ローリン商会の方を名告らないといけなかったか。失敗。
「ギルドマスターのポーイ・ズーンだ」
それ毒だよね。
「俺は、ローリン商会の会長のロイだ、今度この街に店を開く事になったんだけど、既存の商売にあまり影響がない様に輸出用の魔法新薬を扱おうかなと思って来ました。まあ日用品は売りますけど」
「なるほどね、今この街の魔法薬工房は大変でね、何でもイーストチャイにとんでもない店がオープンしたとかで」
「ごめんなさい、それ俺です。俺がオーナーの店です」
「なにぃ、ロイ様が?」
「言っておきますが、俺の店ですが、元は商業ギルドが金を投資しろと指導が入ったのがいけないと思うんです。指導が入らなければ出店していません。」
「あっ、いえ、商売の姿としては正しいので何も言えないですが」
「それで今回は迷惑がかからないように相談しようとして来たんです」
「なるほど、ありがたいです、それでどの様な薬を」
「案としては
・元気が出る系の安くて飲みやすい。炭酸清涼飲料。
・薬膳効果のある調味料
・ダイエット効果のある薬
・ミネラルウォーター
効果としては微妙だが、安くて普段使える物はどうかなと思いまして」
「日常品にちょっとした効果をプラスするのか。確かに魔法薬とは被らないな」
「大量に売らないと儲からないので、輸送が大変です。なので、工場を衛星都市の近くに作って、ここでは濃縮液を作る。工場では原液を薄めて街に供給しようと思います。」
「良いだろう、協力しよう、薬剤師を紹介するので開発すると良い。こちらの生産工場で濃縮液を作り、ローリン商会に卸せばよいのだな」
「それで良いです。清涼飲料水は『クロラドリンク』として販売します」
後ろで、ライディが吹いた。だって名前センス無いんだものしょうがない。
「あっ、それとエリクサー余っていたら譲ってほしいんだが」
「素人が作った品をギルドに売ったらまずいのでは?」
「ん、じゃあギルド登録とゴールドランクを付けよう」
「いいんですか?」
「ギルドマスター権限だ。能力のあるものにはそれなりの評価が必要だ。
エリクサーの製作・納品だけで充分条件を満たせる。」




