49.チャイ大陸(39) 獣人国(3)
そうだ、精霊の里の事聞くの忘れてた。
「ところで長、近くに精霊の里はないか?」
「湿地に居たと思うが、あまり関わりがないな」
そうか、ここは自然豊かなので問題ないかな。
〈問題ありそうです。〉
アリーが精霊たちに聞いた所、獣人族が湿地や草原を荒らして困っているそうだ。
もうむちゃくちゃ暴れるので後始末が大変らしい、植物の根が傷んでしまったり、穴をたくさん開けたり。
「長、獣人族が自然破壊しているそうだ
暴れても良い場所と駄目な場所を分けたらどうだ」
「そっそうじゃな、迷惑かけてたんじゃな」
早速精霊の指示に従って、進入禁止区域を設けた。
今後この様な事のないように、族長会議に妖精族を精霊の代役として加える様にしてもらうことにしよう。
妖精族は、里ではなく散在していたので探すのが一苦労だったが、妖精には精霊の里に住んでもらい、
妖精族も同じ場所に住む者として獣人族と協生してもらう。
今後自分たちで解決できない問題があれば、アリー経由で念話で進言してもらう事にした。
次は、ドライフルーツ工場を作ろう。
獣人達に色々なフルーツを持ってきてもらう
柑橘系やりんごみたいな水分の多いものはジュースにして売ろう
マンゴーみたいのやパイナップルみたいのはドライフルーツにと
そう言えばワインがあったな、フルーツと合わせてサングリアもいいかも
族長たちに栽培を進める様に指示して。
商業ギルドには出張所を作る様にしてもらおう。
あっフォーリンは今牢獄ビジネスで忙しいかな
「いえ! そんな事はありません」
どこから湧いて出た。
「フォーリン隠密スキルもっていたの?」
「いえ、ロイ様が妄想にふけっている間、隙だらけなので」
注意しよ。
「ロイ様が新しい場所に行くときに私が居ないわけ無いじゃないですか、そんな事したら商機を逃します」
「商魂たくましいなぁーー」
「ロイ様ほどではありません。
牢獄ビジネスは部下に指示を出して進めております」
結果としてそうなるのか?
「アニマの街にローリン商店開きたい。それとフルーツ工場も、商業ギルド出張所も手配して」
「承知しました。フルーツ工場は栽培が軌道に乗るまでは小規模で試作品を作ってイーストチャイにアンテナショップを開きましょう」
「アンテナショップって言葉知ってたんだ」
「ロイ様から教わりました」
色々喋っていたので忘れていた。
「あっそれと商業ギルドの口座、たまには確認しておいてくださいね。一定金額を超えると投資に回せとうるさいですから。」
またイーストチャイ行くから見てくるよ。
その後イーストチャイの商業ギルドでお叱りを受けるのだった。
ーーーーー長とリオネル視点
「長!あれほど、素直に話せと言っておいたのに」
「本当にドラゴンを従えておったのじゃな」
「いや、ドラゴンより恐ろしいのが、主の肩に止まっていた小鳥だ、見た目は普通のカワセミだが、主を除けば恐らく最強だ。」
「あんなのが?」
「我らなど瞬殺だぞ、ドラゴンよりも強い。主が可愛がっているから絶対に手を出すなよ。
敵に回したら駄目だ。主は自覚していないが、帝国も手が出せないはずだ。おそらく帝国は敵に回らないように爵位を与えたと思う」
「よし決めた、彼には初代獣人国国王になってもらおう、族長達には帝国の辺境伯よりも獣人国国王のほうが受け入れてもらえるだろう」




