44.チャイ大陸(34) サウスチャイ(5) 牢獄ビジネス
チャイ大陸に来た目的の半分は達成できたと思う。あとは亜人国や精霊の里への訪問だ。
船に同乗している調査団の仕事も一旦終わりだ、一旦というのは、まだ発見されていない遺跡やマグマ溜まりの調査などを継続する必要があるからだ。急を要する案件は片付いた、後はこの大陸に住む人の仕事だ。
このまま、海路をイーストチャイに向け、帝都を目指し調査団を送り届ける事にした。
その間、調査団のメンバーにドラゴンサットとドラゴンビジョンの使い方を伝授した。この試作品は帝国へのプレゼントとしよう。
もちろん秘密であるがドラゴンサットには未使用の窓があり我々も利用できる。
イーストチャイの港まで、海賊ホイホイをしながら進むので船足は遅くしてあるので時間がかかる。
その間、フォーリンと牢獄ビジネスに関して話を進めていった。
フォーリンの話では恐らく今回の働きに対して恩賞が与えられるだろう、そこに牢獄ビジネスの参入を願ってはどうか、という事だ。そのためには事前にビジネスモデルを完成させて打診する事が必要であるらしい。商業ギルドを通して申請しておく。
『施設の場所、運営経費、人員、施設建設費用、設備の準備』
場所は、衛星都市から離れた場所で、逃げ出しても行きていけそうにない場所が望まれる。これは当然のことながら出入り口だけ設置して、マイワールド『刑務所』に繋がる。出入り口以外から脱走は不可能だ。
出入り口はイーストチャイとセントラルチャイの中間地点。
運営経費は、帝国からの補助金と、受刑者の労働力。
人員は、商業ギルドで採用。
施設建設は、俺が教会に併設して建設する。『教会で悔い改めなさい』って事だ。
設備は、セキュリティゲートを含めて俺が準備する。
などを決めていく。
二人の妄想は続く。
帝国に損は無い。認められるはずだ。
我々は、刑務所の労働力を使って作った製品を売って設ける。
受刑者は、強制労働させられるが、一応医療設備とか、食事とかは通常の牢獄よりも充実している。
働けなくなったものは、無駄飯ぐらいなので、刑期の間、人工冬眠してもらうので働かなくてもよいが恩赦は無しだ。病気で働けなくなっ物も同様だ。
セキュリティ面は、重罪エリア、軽犯罪エリアを完全分離。運営側の人員も別だ。独房は懲罰房と隔離房がある。懲罰房は拘束房と重労働房がある。拘束房は暴力的で反抗的な人を閉じ込めるためで、身動きが取れない房だ、重労働房はノルマを終わるまで飯抜き睡眠抜きだ。隔離房は、虐められている者を保護する目的などで使用する。
看守は出来るだけ受刑者との接触が無いようにする。動物園の猛獣エリアと同じ要領だ。
受刑者の労働で得られた利益の一部は被害者救済基金にプールされる。受刑刑期とは別にこの基金への貢献度が目標に達しない場合は、この施設から出られないが牢屋ではなく部屋に移動できるが働けなくなったら追い出される。また働かない場合は外に追い出され奴隷として売られる。逆に充分な貢献があれば軽犯罪では刑期が軽減される可能性がある。問題行動が増えればこのノルマも増えていく。
いい面もある。衛生面はこの世界の基準より遥かに優れている。閉鎖空間で病気が流行っては困るからだ。
健康診断も行われる。健康診断も非接触で行えるようにした。医者を人質にされたら大変だからね。
この他にも考えられるだけのプランを詰め込んだ企画書を作成した。
移動時間は、牢獄ビジネスプランニングと海賊ホイホイとドラゴンサットの改造で忙しかった。




