42.チャイ大陸(32) サウスチャイ(3) ドラゴンサット(1)
これで衛星都市を周り全て解決した。
だが、懸念事項がある。
『ダンジョンはこの5個所だけか?』
単純に調べるのは難しい、大陸は広大だから。ものすごい期間と費用がかかる。
やはり、ドラゴンサットを出番だ。もっと性能をあげないといけない。
課題は
・高分解能化
・高感度化
・高精度化
・高速化
・小型化
・視覚化
この中で、とりあえず高速化と小型化は後回しにして、冗談の三高と視覚化を目指そう。
視覚化は可視化といっても良い。結果を見やすくわかりやすくするのは重要だ。
センサー自体を小さくするのはもちろんだが、拡大光学系を大きくするのも必要だ。だが高度な光学設計が必要になり、この世界でそれを実現するのは難しい。ただ大きなレンズを作れば良いと言うものではない。球面収差、像面湾曲、コマ収差、色収差、歪曲収差などを補正する光学設計は出来ないし作れない。
そこで、得意技を発揮する事にした。マイワールドの利用だ。
光学系の像面に極細マイワールドを2次元配列する。1000✕1000本、そしてマイワールド内側に全反射属性を付与する。見えない光ファイバーみたいなやつだ、そしてその先に球型マイワールド、内側乱反射属性を付与しておく。その一部に出口穴を設けて各種センサーに照射されるようにする。
100万個である。場所は二重マイワールドの要領でマイワールド内にマイワールドを配置する。
そしてセンサーの出力に応じた明るさで発光するマイワールドを作ってこれを同様に2次元配列し、パネル状にしてマイワールドの出口に配列する。
ファイバー状のマイワールドには個別に光量調節機能をもたせ、キャリブレーションして、均質な感度を持つようにする。光学系レンズで上下左右が反転するので配列は組み替えた。
これをパッケージ化して100万画素エリアセンサーとした。
名付けてМy Word Area Sensor (МWAS)だ、どうだ酷いだろう。
結像光学系は大きめのものにして中心付近を使用することで、収差を軽減させることにした。
ただ、球面を片側からしか見ていないので二次元にするには展開する必要があるが今は出来ない。
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無理やり作った感はあるが、出来た。技術を無視した力技だ。
100万個もあるのでキャリブレーションが大変だ。
将来的にはデジタル情報化して、重ね合わせたり、雲を除いて張り合わせたり、色々としたいが、現状は可視化して見るだけだ。
次回があれば別のアプローチの方がいかも知れない。
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トラゴンサットを稼働して観測する。今回制作したのは『穢れセンサー』『龍脈センサー』『視覚センサー』の3つだ。ドラゴンサットには複数の窓があるので3つ同時に見られる。
まだ別々の画像だけど。仕方がないので視覚センサー画像を左目で見て右目で龍脈センサーを見て視界の中で合成する。ちょっと疲れる。ドラゴンサット上での視差は距離があるのでほとんど影響がない。
センサー同士の相対位置は固定してあるので、観測位置をセンサー位置で変化させながら全域を見ていく。
前回試作品で除いたときとは違いリアルタイムで見られる。龍脈を見られる能力者でなくても誰でも見られるので説得力がある。
中央山脈から湧き出た龍脈が東西南北に伸びて流れている様子を見ることが出来る。今回対策したので、衛星都市のダンジョンまで龍脈が行き渡っているのがよくわかった。
これ、事前に作っておけば解決したのでは?
考えないことにした。これで見ただけではドラゴンが原因だったり、穢れが原因だったりはわからない。結果はわかるが原因は別だ。先に実証したと考えれば無駄ではない。




