38.チャイ大陸(28) ウェストチャイ(3)
ウェストダンジョンの調査を終え街に戻る。
母船が来るまでこの街で待とう。それまでは観光かな。
ウェストチャイは、観光も良いが、海の資源と山の資源に恵まれている。
フォーリンが、俺が何か言い出さないか近くで待ち構えている。
山の資源といえば、きのこ類。だが毒性の強いものもあるので危険である。安全な品種を栽培すれば良いのではないか、『極安全乾燥きのこ』計画はどうだろう。まあ栽培なら山でなくても良いんだけど。
「やりましょう」
「フォーリン声には出してなかったはずだぞ」
「顔つきでわかります」
どうやら表情に出てしまうようだ。
きのこは天日干しが良かったかなビタミンDが増えるのか。でも紫外線を当てれば良いんだよね。
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計画を話すと、フォーリンはまた商業ギルドに走っていった。
忙しいやつだなあ。
それから2日ほど拘束された。建物と設備とノウハウの伝授 等々。
そのうち乾燥御殿が建つかな。
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冒険者ギルドへ行ってみる。何か変わった依頼が無いか見るためだ。
観光地なので余り無いなぁ、観光道中の護衛業務が多いくらいかな。
あとは雑務、ゴミ掃除とか、雑草取りとか。タタケー伐採とか。
?タタケーって竹かなあ、手入れしないと無限に広がって困るらしい。
筍とか採れるのかなあ。聞いてみよう。
ギルド嬢いわく、あんなエグいもの食べられるわけ無いでしょ。かじったことあるんだぁ。
アク抜きすれば食べられるよね。
フォーリンはずっとそばにいるので聞いてみる。
どうやらアク抜きって伝わっていないみたいだ。
「やりましょう」
筍と言えば
・アク抜きして水煮、又は味付けして
・アク抜き後に乾燥保存
やはり、ここは『極新鮮乾燥筍』かな。
ちょっと依頼を受けて採りに行こう。筍あったらもらってきて、筍料理作ってみよう。
伐採の依頼を受けたら伐採後の廃棄物(筍、竹、笹)はもらえるそうだ。
筍は破竹で大きくなっても柔らかくて美味しかった。
竹は乾燥させて竹細工に出来るなぁ
笹は竹の笹なので笹団子に使うには小さすぎる。
食品を包むのはクママザサという種類が良さそうだ。こちらも乾燥させて保存できる、使う時に戻せばよい。
まずは、筍を食べる文化を定着しないといけない。
筍食堂を作ろう。そこで竹関連商品を売ると良さそうだ。
「やりましょう」
さっそく竹林のオーナーと話をつけ、竹加工工場を作った。
竹林のオーナーといってもたまたま手に入れた広大な土地に竹が増えてしまって持て余していた人だ。大喜びで話に飛びついた。
次は筍料理の試食会をする必要があるな。
筍ご飯。焼き筍。炒め物。 (米はあった)
竹蒸し料理(竹に詰め物をして蒸した料理)とか
笹団子。チャイちまき。わかめとの和物。
料理人を雇い、レクチャーする。料理人なので一度作り方を教えれば、あとはアレンジして客に出せる料理に完成させてくれる。
商業ギルドを通じて街に飲食店舗を買い、従業員も雇う。
とりあえず従業員全員で呼び込みだ。人が入るようになったら、呼び込み専門の人を雇っても良い。
今回は試食会なので、無料だ。ただ試食なので、一人分の分量は少ない量で色々な筍料理が乗ったプレートのみのメニューで帰りにアンケートに答える義務がある。
トップ3は 「筍ご飯」、「竹蒸し料理」、「チャイちまき」だった
ただ、チャイちまきは筍ご飯をクママザサで包んで蒸したものなのでランクに入らないかもしれないのでやめた。
これに、副菜一品と汁物を付けた定食のみの店とした。竹蒸し料理と副菜は日替わりだ。
筍御膳専門店だ。メニューを一つに絞ることで効率が上がり、沢山の客をさばける。客がくればだが。
ここは温暖な気候なので一年中筍が採れる。
とりあえず珍しいこともあって連日満席状態が続いた。そのうち落ち着くだろう。
土産品として。極乾燥筍と極安全乾燥きのこ、など極新鮮乾燥シリーズを置いた。
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そろそろ母船と合流できるみたいだ。
全然観光する暇がなかったなぁ。




