24.チャイ大陸(14) セントラルチャイ(2) セントラルダンジョン(1)
「ところでお名前は? 俺は冒険者パーティー『女神教』のリーダーのロイだ」
「知ってるわ、私はヴェスタ・チャイよ、ヴェスでいいわ」
「なぜこうまでして付いてくるの?」
「未来の旦那を見定めるために決まってるじゃない」
「聞かなかったことに...」
「なりませんわ」
「もう結婚しているし」
「末席で構いません」
「会ったばかりでしょ?」
「実は、どうしても結婚したくない人と婚約させられそうで」 しくしく。泣き落とし?
「単なる隠れ蓑? そうだよね俺モテたこと無いから。
わかった、アタック中って事で、適当に付いてきたらいい。
本命が居るんだろ、早く告白しろよ。じゃあな」
適当にあしらうことにした。バカバカしい。
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ダンジョン情報は街で仕入れてきた
・トラップはない
・最深部には到達していない
・1〜3階層は森林フロア、植物系
・4〜6階層は草原フロア、小動物系の魔物
・7〜9階層は森林と草原フロア、ゴブリン、オーク、ウルフ
・10〜12階層は山と森林フロア、オーガ、アラクネ、ボア、ゴーレム、
・13〜15階層は山と森林、草原、海・湖フロア、ベヒーモス、シーサーペント
・16〜17階層は墓地フロア、アンデッド系
・18〜? ドラゴン系、アンノウン系 (入口から見ただけでよくわかっていない)
・フロアボスはその階層で一番強い魔物
・各フロアはほぼ同じサイズで、直径10kmぐらい
・討伐時ドロップ品あるかも、1割ぐらいの確率
・冒険者は安全性と素材回収効率を考えて、だいたい10階層ぐらいまでしか行かない。
こんなところか
調査目的なので一気に最下層に向けて階層を突き抜けていく。
が、ドロップ品は回収していく。なんせ幸運度が高いので出まくりである。
しかもレアアイテムばかり。近くに居た冒険者たちは羨望の眼差しだ。
最後の方では面倒なのでレアアイテム以外は近くの冒険者に持っていけと言い放って去っていった。
そして16階層アンデッド系だ、呪い屋本舗としては、ここにある呪を回収していきたい。
ライディの聖魔法の出番である。 おれの解呪でもいいけど
まあ二人でどんどんアンデッドを消し去っていく、俺はアンデッドにかかった呪をどんどん回収していく。
『腐らない呪』『腐っても動く呪』等々
ドロップ品は呪玉? の様である。違った、解呪玉だ。
無限に出てくるなぁーー面倒だ。
「エリア解呪!」
普通はそんなのは無い、呪が違えば解呪方法も異なるから。これは呪いを解くのではなく木っ端微塵にする物だ、だって本体を無事に保護する必要ないから壊しても良いのだ。生きている人間には使えない。死んじゃう。
このアンデッドって誰なんだろう? 古代のお墓? ここに来た冒険者?
それともダンジョンが無から生成した?
面倒だけど、一体だけ丁寧に解呪して、不死の呪だけを残してみた。
「お前は誰だ?」
『おー侵略者だー全滅してしまうーぅーー』
「え゛っなんだって? 侵略者って?」
『異世界か...』
あっ崩れてしまった。
「今のキーワードは『侵略者』『異世界』だな。
まさかこいつらは5000年前の異世界からの侵略者によって滅ぼされた人類?!
星が滅亡するほど栄えていたらしいから、数十億人規模でアンデッドが居るのか」
じゃあ最下層にあるのは。




