14.チャイ大陸(4) チャイ帝都(1)
馬車に揺られる。
暇だ
話題が無い。世間話から始めよう。
とりあえず言語中枢をスキャンして言葉の問題はなくしている。ナビくんのおかげだ。
第2皇太子とフォーリンは大丈夫みたいだ。
案内人は、帝都出身らしい。最近港町の領主に雇われたそうだ。
工業地帯について聞いてみる。
港付近では海産物の加工工場(乾燥・瓶詰め)が多いそうだ。
街の近くは鍛冶屋、
山の近くには鉱山の採掘鉱石から金属インゴットを製錬する工場、
穀倉地帯に近い衛星都市近くには農産物の加工工場(乾燥・瓶詰め)、
草原では牧場肉の加工肉工場(乾燥肉、ベーコン)。
この世界では一般的なものだ。ジャパンゲア大陸と大差ない内容だ。
このレベルの工場では海が汚染されるような廃棄物は出なさそうだ。
強いて言えば製錬のときの不純物に有害物質が含まれているとかぐらいだ。
遺跡に関して聞いてみると。
何箇所かあるらしい。主なものをいくつか教えてもらった。
ダンジョンに関して聞いてみる
遺跡は主にダンジョンの中にあるそうだ。なるほど
亜人たちについて聞いてみた。
棲み分け出来ているが、争いは絶えない、人同士でも闘うのだから特に亜人だからといって忌避感があるわけではない、大きな街では共存している。ただ、亜人たちが辺境に追いやられているのは事実のため、亜人たちの不満度は高いらしい。
学園に関して聞いてみた。
第2皇太子も通っていた、帝都魔法剣学園がある。
正確には「魔法剣」では無く、「魔法と剣」であるが省略だ。
これもアウル帝国にある物と大きくは変わらない。
中等部2年高等部3年だ。ただ規模は大きく3倍ほどの学生が学んでいる。
冒険者ギルドも共通で、俺達はここでもS級冒険者パーティ扱いだ。
この大陸で更に3カ国以上の国から支持を得ればSS級になるらしいが興味は無い。大差ないし。
過去に大規模な通貨統一が行われ、貨幣価値は同じだ。金本位制らしい。紙幣は無い。
これらの内容を事前に得た知識と照らし合わせながら帝都へと向かった。
ーーーーー
後日、
マイワールドを使った乾燥機が出来ないか実験してみた
マイワールド『乾燥』の出口に水分除くという条件を付けてみた。
出てくる空気中の水分が抜けただけだった。
一緒になっているのは駄目みたい。
あっ、でもその乾燥した空気を吹き付けるようにしたら乾燥が早くなりそう。
可能だったらちょっと怖かったかも、人を入れたらミイラになって出てくるとか。
あっ肉の血抜きは出来るかな
マイワールド『血抜き』の出口に血液を除くという条件を入れてみた
切り身は血抜きされて出てきたけど
生き物まるごとだと駄目だった。血が抜けるところが必要ってことだね。
ということは、すり身なら乾燥できるという事だ。
すり身を『乾燥』に入れてみると、粉末の塊になって出てきた。
マイワールドを売るわけにはいかないので個人利用限定であるが完成した。
帝国に特殊食品乾燥工場を建てさせてもらおうかな。商業ギルドのフォーリンに相談しよう。
とりあえず小部屋サイズの乾燥部屋を作ってみた。
ーーーーー
「フォーリンっ! これ使えないかな?」
と、乾燥部屋を実演披露する。
「すばらしいーー。実はここの商業ギルドに工場スペースを確保しているのですが、今のところ用途が決まっておらず、売却しようと思っていたのです。これがあれば一儲けできそうです。」
「報酬は使用料という形でもらえますか。」
「よろしいでしょう。この小部屋をあと4部屋準備できますか、一部屋あたり月に50万ゼニ、
合わせて月に250万ゼニで、1年では3000万ゼニで貸し出していただければ
この処理能力であれば充分採算が合います」
「他の加工工場潰れない?」
「あっ、あー。危ないですね。恨みを買ってしまうかもしれません」
「新しい産業をおこしてそちらに回せば問題ないですね」
「その線で考えてみましょう
とりあえず1台だけ。。。」
「はいこれを使って下さい。改良点とかがあればまた改造していき完成度をあげ、ジャパンゲア大陸で展開しましょう。ただ、特殊なものなので貸出しか出来ませんが」
ガッツリと握手を交わした。