11.チャイ大陸(1)
「アルス兄さんはチャイ帝国に留学経験があるんだよね
どんな国?」
「ああ、5年前から3年ほど留学していた。
そうだな、
まず人が多い。言語は似ているが異なり、語調は喧嘩腰のようだな。
帝都は百万人規模で広大な敷地にある。そして周辺に5つの衛星都市がある。
その間と外側は穀倉地帯だ。そして河口近くの海岸に工業地帯がある。
チャイ大陸の辺境には多種の亜人の独立国があるが、ほぼ属国の自治区の様な扱いだ。
今回の出兵、どう思う?」
「俺は、戦争という名の人減らしかなと思うんだけど。
亜人の実力者を戦争に駆り立てることで辺境独立国の力を削ぎ、
国内の不満の多そうな地域からも招集をかけて戦争ですりつぶす。
国内産業は戦争特需で景気が良くなり、税収も上がるので軍資金も準備できる。
古い資材・設備の更新も出来る。
もし上手く占領出来たら、別の大陸で勢力を広げられるし。どう転んでも良い。
と言ったところかなと。」
「よくわかっているな」
「物語でよく読んだからね。
国単位で見れば、無駄な人を減らし経済が潤う。
割りを食うのは兵隊や戦争税を巻き上げられる住民たちかな。
ところで
精霊の言う『海の汚れ』って
・生活ゴミ・排水
・工業地帯の排水
・鉱山排水
とかかなあ?
生活ゴミとかは、嵐でまとめて海岸に押し戻しているから問題ないと言っていたし。
やはり排水の問題かな」
「やはり、行って調査する必要があるな
本来、チャイ帝国が行わなければならない事だが、
この星全体の問題であり、我々にも関係してくるからな」
「いざとなれば強硬手段もとれるから安心して交渉してくれ
国の1つや2つ、どうって事無い」
「嘘やホラでないところが怖いな」
「とにかく、俺達のパーティーがチャイ大陸を自由に行動できるようにして欲しい。
ダンジョンとかダンジョンとか」
「ダンジョン行きたいだけじゃないのか?」
「ちがうよぉ?
ちょっとだけそうだけど
遺跡やダンジョンが関係している可能性があるのではと」
「疑わしいが、そういうことにしておこう」
「ありがとー マルス兄さん 大好きっ」
「父上みたいなノリはよせ」
ちょっとふざけすぎてしまったが、内容は真面目だ。